「うちの親は審査に通るだろうか」「断られたらどうしよう」――そう不安になるのは、ご家族として当然のことです。けれど入居審査は、ふるいにかけて合否を決めるためのものというより、その施設がご本人の状態に合った暮らしを提供できるかを、施設と入居者の双方で確かめ合う場と考えるとよいでしょう。
たとえば必要な介護やケアの体制が整っていない施設に無理に入っても、ご本人がつらい思いをすることがあります。審査は、そうしたミスマッチを入居前に防ぐための確認の手続きです。
有料老人ホームでは、設置者は入居しようとする人に対し介護等の内容などの情報を開示することが老人福祉法(第29条第7項)で定められています。これを受けた国の指針(有料老人ホームの設置運営標準指導指針)では、契約締結前に十分な時間的余裕をもって、重要事項説明書(施設の体制・費用・契約条件などをまとめた書面)と入居契約書について説明を行うことが求められています。つまり審査は施設が一方的に判断する場ではなく、ご家族の側も施設の内容を見極める場でもあります。「確認されるだけ」ではなく「こちらも確認する」――その姿勢で臨んでください。
施設探しの段階では、まず気になる施設に入居できる要介護度の範囲・対応できる医療的ケアを問い合わせ、重要事項説明書をもらえるかを確認しておくと、後の審査がスムーズになります。契約前に確認しておきたい重要事項説明書や費用の見方も、あわせて押さえておくと安心です。
