「老人ホームの話を出すと、親が怒る・黙り込む・逃げてしまう」。これはとても多いご相談です。まず知っておきたいのは、嫌がる気持ちの裏には、たいてい「これまでの暮らしを失う不安」「家族に見捨てられるのではという恐れ」「自分のことは自分で決めたいという自尊心」があるということ。決してわがままでも頑固でもありません。
だからこそ、最初の一歩は「親を説得すること」ではなく「親の気持ちを否定しないこと」です。「もう一人では無理でしょう」「迷惑なのよ」といった言葉は、たとえ事実でも、本人の自尊心を直接傷つけてしまいます。
この前提が共有できると、その後の話し合いの空気が大きく変わります。施設探しの場面でも同じで、家族が先に「絶対ここ」と決めて連れて行くより、本人が「自分で選んだ」と感じられる進め方のほうが、入居後の納得感につながりやすいといわれます。まずは焦らず、親が何を不安に思っているのかを言葉にしてもらうところから始めましょう。
