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通院付き添いが必要な場合の確認事項|契約前に見るべきポイントを表すイラスト医療・看護

通院付き添いが必要な場合の確認事項|契約前に見るべきポイント

作成日
2026年6月21日
最終更新日
2026年6月21日

親や配偶者の通院に付き添いが必要なら、施設探しの段階で「誰が・どこまで・いくらで」付き添うかを契約前に確かめましょう。重要事項説明書や料金表で確認すべき点と、院内介助の考え方を一次情報をもとに整理します。

01通院の付き添いは「施設まかせ」にできない ―― 入居前に確認したい理由

定期的な通院が必要なご家族の施設を探すとき、「施設に入れば通院も全部みてもらえる」と思いがちです。けれど、通院の付き添いをどこまで施設が担うかは、老人ホームの種類によっても傾向が変わり、施設によって大きく異なります。家族の付き添いを基本とする施設、職員が同行する施設、外部の介護タクシー(介助のできる運転手が乗る福祉車両など)を使う施設があり、その対応は契約内容によって決まります。

大切なのは、通院付き添いは多くの場合「毎月の利用料に含まれる基本サービス」ではなく、別に取り決めるサービスになりやすいという点です。誰が、どこまで(送迎だけか、診察室や会計まで付き添うか)、費用はいくらかは、入居前にはっきりさせておかないと、入居後に「思っていた対応と違う」「予想外の費用が請求された」という行き違いが起こりがちです。

入居までの流れの中でも、見学や問い合わせの段階で「通院が月◯回ほど必要です」と具体的に伝え、その施設での標準的な対応を確認しておきましょう。口頭の説明だけでなく、後述する重要事項説明書や料金表など、文書でどう書かれているかまで見ておくと安心です。なお、本記事の費用や制度の扱いは一般的な考え方であり、実際の対応・料金は各施設・自治体の最新の資料で必ずご確認ください。

02誰が付き添う? 家族・施設職員・介護タクシーの3つの選択肢

通院の付き添いには、大きく3つのパターンがあります。それぞれ施設によって対応が分かれるため、わが家のケースでどれになるかを確認するのが第一歩です。

1つ目は家族による付き添い。受診の予約や医師への説明を家族が担いたい場合に向きますが、遠方に住んでいたり仕事があったりすると毎回は難しいことも。どのくらいの頻度なら家族が対応できそうか、あらかじめ整理しておきましょう。

2つ目は施設職員による付き添い。職員が病院まで同行し、移動や受診を手伝う形です。施設の通常業務の範囲外として扱われ、別料金になる場合があります(後述の「その他利用料」)。何分単位でいくらか、どの職種が同行するかは施設ごとに違うため、料金表での確認が欠かせません。

3つ目は介護タクシーなど外部サービスの利用。福祉車両での送迎に介助が伴うものです。ただし、介護保険が使えるか・家族が同乗できるか・運転手が病院内まで付き添えるかといった条件は、サービスの種類や利用者の状態、保険者(市区町村)の判断によって変わります。施設が手配する場合の費用負担も含め、施設とサービス事業者の双方に具体的に確認しましょう。

どのパターンになるかは、ご本人の心身の状態や通院先によっても変わります。「うちの場合はどうなりますか」と、具体的な状況を伝えて聞くのがコツです。

03費用はどこに書いてある? 重要事項説明書・料金表で確かめる「その他利用料」

通院付き添いの費用は、入居にかかる費用の相場である月額利用料とは別に「その他利用料」として請求されることがあります。ここは行き違いが起きやすいので、根拠となる文書を必ず確認しましょう。

厚生労働省の通知をふまえた自治体の資料(京都府の実地指導資料・WAM NET掲載)によると、介護保険の対象外で施設が受け取る「その他利用料」は、一律に徴収するものではなく、利用者または家族等の自由な選択・希望に基づいてサービスを提供した場合に徴収できるものとされています。あいまいな名目の費用や、保険給付と重複する費用は徴収できないとされています。

さらに、この費用を受け取る際の同意は文書で行う必要があるとされ、重要事項説明書の末尾に「希望してサービスを受けた場合に利用料を支払うことに同意する」旨を記載して署名等を受けるか、別途サービス内容と費用額を明示した文書に署名を受ける、という方法が示されています(厚労省 老企第54号、老振第75号・老健第122号)。また、通院送迎で送迎・付き添いも含め約1日程度かかる場合の交通費は、運営規程等への明記と利用者の同意があれば実費相当を徴収できるとされています。

施設探しでは、(1)通院付き添いの費用が料金表・重要事項説明書に明記されているか、(2)金額の単位(30分ごと・1回ごとなど)と上限、(3)交通費や実費の扱い、(4)同意の取り方、を確認しましょう。記載がないサービスは原則として対象外と考え、口頭の約束だけで進めないことが大切です。

04病院の中での介助(院内介助)は誰がする ―― 介護と医療の線引き

通院で見落とされやすいのが、病院に着いてからの介助、いわゆる「院内介助」(病院内での移動・トイレ・見守りなどの手伝い)です。

厚生労働省の事務連絡『訪問介護における院内介助の取扱いについて』(平成22年4月28日・老健局振興課)では、院内介助は基本的には病院(院内)のスタッフが対応すべきものとされています。介護保険制度の基礎を踏まえると、訪問介護として介護保険で算定できるのは例外的な場合に限られ、(1)適切なケアマネジメントを行ったうえで、(2)院内スタッフ等による対応が難しく、(3)利用者が介助を必要とする心身の状態であること、といった要件を満たし、ケアマネジャーがケアプランに位置づけて実施する場合とされています。算定できるかどうかは各保険者(市区町村)の判断です。

「介助を必要とする心身の状態」の例としては、院内の移動に介助が必要な場合、認知症その他のため見守りが必要な場合、排せつ介助を必要とする場合などが挙げられています。

ここで大切なのは、「施設に入れば院内も必ず付き添ってもらえる」とは限らないということです。施設探しでは、(1)病院内ではどこまで手伝ってもらえるのか(受付・移動・診察室・会計のどこまでか)、(2)それは施設職員か、訪問介護などの外部サービスか、(3)費用や保険適用の扱いはどうなるか、を具体的に確認しましょう。判断に迷うときは、担当のケアマネジャーや地域包括支援センターに相談すると、わが家のケースに即した整理がしやすくなります。

05見学・問い合わせで聞くべき質問チェックリスト

通院付き添いについては、見学や問い合わせのときに次の点を一つずつ確認すると、入居後の行き違いを防げます。メモを取りながら、文書での記載とあわせて聞きましょう。

  • 通院の付き添いは、家族・施設職員・外部サービスのどれが基本になりますか? わが家のように月◯回の通院がある場合はどうなりますか?
  • 施設職員が付き添う場合、費用はいくらで、どの単位(30分ごと・1回ごとなど)ですか? 料金表・重要事項説明書のどこに書いてありますか?
  • 送迎の交通費や実費は別にかかりますか? かかる場合、その根拠(運営規程など)はどこに書いてありますか?
  • 病院の中での移動・トイレ・見守り(院内介助)は、どこまで誰が対応しますか? 保険の扱いはどうなりますか?
  • 付き添いをお願いするときの予約方法や、急な受診への対応はどうなりますか?
  • これらの費用に同意する文書(重要事項説明書や別紙)を、契約前に見せてもらえますか?

これらは施設の良し悪しを問うものではなく、「わが家の通院事情にこの施設が合うか」を見極めるための確認です。同じ条件で複数の施設に聞くと、対応や費用の違いが比べやすくなります。費用や対応は変わることがあるため、必ず最新の料金表・重要事項説明書で確かめ、口頭の説明は文書での裏づけとあわせて判断しましょう。

06公的な情報で裏取りする ―― 介護サービス情報公表システムの使い方

施設からの説明に加えて、公的な仕組みで情報を裏づけておくと、より安心して比較できます。

厚生労働省の『介護サービスの情報公表制度』は、利用者が介護サービスや事業所・施設を比較・検討して適切に選ぶための情報を、都道府県が提供する仕組みです。「介護サービス情報公表システム」を使えば、インターネットでいつでも、全国の事業所のサービス内容や運営状況などの情報を検索・閲覧できます。気になる施設名で検索し、公表されている情報と、施設から受けた説明に食い違いがないかを照らし合わせてみましょう。

ただし、通院付き添いの細かな料金や、わが家のケースでの具体的な対応までは、公表情報だけでは分からないことがほとんどです。最終的には、施設の最新の料金表・重要事項説明書・契約書で確認するのが基本になります。記載がない、あるいはあいまいなサービスについては、契約前に書面で明確にしてもらうようお願いしましょう。

なお、本記事で触れた制度や費用の扱いは一般的な考え方であり、運用は施設の類型(介護付き・住宅型の有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅など)や自治体によって異なります。掲載事業所数や情報公表の運用ルールなどの細かな数字・スケジュールは変わることがあるため、最新情報は厚生労働省や各自治体、施設の公式な資料でご確認ください。判断に迷うときは、担当のケアマネジャーや地域包括支援センターに相談するのがおすすめです。

FAQ

このガイドのよくある質問

A.

施設によって異なります。家族の付き添いを基本とする施設、職員が同行する施設、外部の介護タクシーなどを使う施設があります。職員が同行する場合は通常業務の範囲外として別料金(その他利用料)になることがあります。わが家の通院頻度を具体的に伝えたうえで、対応内容と費用を重要事項説明書・料金表で確認しましょう。実際の対応は各施設へご確認ください。

A.

「その他利用料」として月額とは別に請求される場合があります。厚労省通知をふまえた資料では、その他利用料は一律徴収ではなく利用者・家族の自由な選択・希望に基づくものとされ、文書による同意(重要事項説明書への記載と署名等)が必要とされています。金額の単位や交通費の扱いも含め、施設の最新の料金表・重要事項説明書で必ずご確認ください。

A.

厚労省の事務連絡では、病院内での介助(院内介助)は基本的には病院のスタッフが対応すべきものとされています。訪問介護として介護保険で算定できるのは、適切なケアマネジメントのうえ院内スタッフでの対応が難しいなどの要件を満たし、ケアマネジャーがケアプランに位置づけた例外的な場合に限られ、可否は各保険者の判断です。施設・ケアマネジャー・地域包括支援センターに具体的にご確認ください。

Sources

参照・確認する一次情報

制度や費用は変更されることがあるため、公式情報と施設の資料を確認しながら更新します。

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