「老人ホームに入ったら自由に外出できなくなるのでは」と不安に感じるご家族は少なくありません。まず押さえておきたいのは、外出・外泊が法令で一律に禁止されているわけではない、ということです。
一例として、特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準(厚生労働省令)では、施設は入所者の意思および人格を尊重し、常にその方の立場に立って処遇を行うよう努めることが基本方針として定められています。あわせて、入所者本人や他の入所者の生命・身体を保護するため緊急やむを得ない場合を除き、身体的拘束その他入所者の行動を制限する行為を行ってはならず、行った場合は理由などを記録する義務があるとされています。つまり「行動の自由を尊重する」ことが制度の前提であり、外出・外泊を一律に取り上げてよいわけではありません。
ただし、これらの基準は施設の種別ごとに根拠となる省令が異なります。自由に出られるかどうかも別の問題です。安全管理や体調・服薬の都合から、施設ごとに「外出・外泊のルール」が定められているのが実情です。可否そのものより、どんな条件・手続きで外出・外泊が可能かを施設ごとに確認することが、施設探しの出発点になります。
