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住民票・住所変更は必要か|施設入居時の手続きを表すイラスト手続き

住民票・住所変更は必要か|施設入居時の手続き

作成日
2026年6月21日
最終更新日
2026年7月8日

老人ホームや介護施設に入居したとき、住民票を移す必要があるのかをわかりやすく整理。住民基本台帳法上の届出義務、要介護認定の引き継ぎ、介護保険の「住所地特例」、グループホームなど例外まで、施設探しで確認すべき点とあわせて解説します。

01施設に入居したら住民票は移すべき?まず知っておきたい全体像

「施設に入ったら、住民票も移さないといけないの?」という疑問は、多くのご家族が入居前に立ち止まるところです。結論からお伝えすると、生活の本拠が施設に移るなら住民票の異動は原則として必要で、これは住民基本台帳法という法律で定められた届出です。一方で、住民票を移しても介護保険の保険者(保険料を管理する市町村)が変わらないよう配慮する「住所地特例(じゅうしょちとくれい)」という仕組みがあり、施設の種類によって扱いが分かれます。

つまり押さえるべき点は、(1)住民票の届出は義務、(2)要介護認定をどう引き継ぐか、(3)介護保険の保険者がどこになるか、の3つです。これらは施設の種類によって結論が変わるため、入居を検討する段階で「この施設は住所地特例の対象か」「住民票を移す必要があるか」を施設に直接確認しておくと、後の手続きで迷いません。なお、必要書類や手続きの細かい流れ、対象区分の最新の取り扱いは自治体ごとに差があるため、最終的にはお住まいと入居先の市区町村の最新情報で確認することが大切です。

02住民票の異動は「義務」—14日以内の届出と過料

住民基本台帳法第22条では、転入をした人は転入をした日から14日以内に、市町村長へ氏名・住所・転入年月日などを届け出なければならないと定められています。さらに同法第52条第2項により、正当な理由がなく届出をしない場合は5万円以下の過料の対象とされています(実際に科すかどうかは裁判所の判断によります)。多くの自治体では「事実が発生した日から14日以内」と案内していますが、起算日の数え方の案内は自治体によって表現に差があるため、案内に従って確認してください。

ただし、短期入所(ショートステイ)など生活の本拠が移らないと考えられるケースや、住民票を移すべきかどうかの線引きは、個別の事情によって自治体の判断が分かれます。「この入居で住民票を移す必要があるか」は、入居先の市区町村に確認するのが確実です。

施設探しの段階では、入居予定先が住民票の異動を前提にしているか、また住民票がないと入居できない種別かを施設に質問しておきましょう。後述するグループホームなどでは住民票の移転が入居条件に関わることがあり、見学時に確認しておくと申し込み後の手戻りを防げます。

03要介護認定はどうなる?「14日以内」で引き継ぐ

すでに要介護認定を受けている方が別の市区町村の施設へ移る場合、認定を引き継ぐ手続きが必要です。一般的な流れは、転出時に「介護保険受給資格証明書」(自治体により表記が異なる場合があります)の交付を受け、転入日から14日以内に新しい住所地で要介護・要支援認定の申請を行うというものです。この期限内に申請すると、前住所地で受けていた要介護状態区分(要介護度)が引き継がれるのが一般的な取り扱いとされています(新宿区など複数自治体の案内による)。

注意したいのは、14日を過ぎると前住所地の認定が引き継げず、新規申請の扱いになる場合がある点です。認定が出るまでの間の自己負担などに影響することがあるため、転居のスケジュールは早めに整えておきましょう。なお、マイナンバーの情報連携により証明書がなくても手続きできる自治体もありますが、対応や期限の取り扱いは自治体差があるため、両方の自治体に要確認です。

施設探しでは、入居日が決まったら認定引き継ぎの段取りを逆算し、退院・退所のタイミングと住民票異動・認定申請が14日以内に収まるかを、ケアマネジャーや施設の相談員と一緒に確認しておくと安心です。あわせて、かかりつけ医をどう引き継ぐかも、要介護認定の引き継ぎと同じタイミングで検討しておきたい手続きのひとつです。

04介護保険料が変わらない仕組み「住所地特例」とは

介護保険は、住民票のある市区町村が保険者となるのが原則です。しかし、施設の多い市町村に給付費の負担が偏らないよう、対象となる施設へ入所する場合は住民票を移しても移す前の市町村が引き続き保険者となる「住所地特例」が設けられています(厚生労働省・自治体の案内による)。

住所地特例の対象は、おおまかに(1)介護保険施設(介護老人福祉施設=特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院)、(2)特定施設(地域密着型を除く。有料老人ホーム・軽費老人ホーム・養護老人ホームを含む)とされています。これらの施設では、住民票を移しても元の市町村が保険を管理し続けるのが原則です。

なお、かつて対象とされていた介護療養型医療施設は介護医療院への移行に伴い制度上廃止されており、現在の対象区分は最新の情報で確認が必要です。また、サービス付き高齢者向け住宅は、有料老人ホームに該当しうるサービスを提供する場合に住所地特例の対象となるなど、該当性によって扱いが変わるため一概には言えません。施設探しでは、重要事項説明書や施設の相談員に「住所地特例の対象施設か」を確認し、対象区分や手続きの最新の取り扱いは、お住まいの市区町村の介護保険窓口に照会するのが確実です。

住所地特例の対象施設(特養・老健・介護医療院・有料/養護/軽費老人ホーム)では住民票を移しても保険者は元の市町村のまま、対象外の地域密着型サービス(グループホーム等)では施設所在地への住民票移転が必要になり保険者も入居先市町村に変わるという違いと、転入届・認定引き継ぎ申請がどちらも14日以内であることを整理した比較図

05グループホーム等は注意—住民票の移転が必要な地域密着型

見落としやすいのが、地域密着型サービスの扱いです。認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム少人数で暮らすグループホームの特徴や費用の考え方は別記事で整理しています)や地域密着型特定施設、地域密着型介護老人福祉施設(地域密着型特養)は、原則として住所地特例の対象外で、住民票のある市町村が保険者となるのが一般的とされています(厚生労働省・自治体の案内による)。

地域密着型サービスは、その市町村に住民票がある人を対象とする仕組みのため、他の市区町村のグループホーム等に入居するには、施設所在地への住民票の移転が必要になるケースが一般的です。住民票を移すことで、保険者や保険料の管理先が入居先の市町村に変わる点も、入居前に理解しておきたいところです。

施設探しの段階では、候補がグループホームなど地域密着型かどうかを種別から確認し、「住民票を移すことが入居条件か」「移した場合に保険者はどこになるか」を施設と自治体の両方に確認しておきましょう。料金や保険料の具体的な金額は自治体・施設で異なり、ここで断定はできないため、最新の料金表・重要事項説明書で確かめることが大切です。

06手続きの流れと、施設・自治体に確認すべきチェックリスト

全体の手続きは、おおまかに次の順序で進みます。(1)入居先・入居日を決める、(2)転出元で介護保険受給資格証明書の交付を受ける、(3)転入届を14日以内に提出する、(4)転入後14日以内に新住所地で要介護認定の引き継ぎ申請を行う、(5)住所地特例に該当する場合は所定の届出をする。この(1)の入居先決定から入居当日までの一連の動きは、入居までの流れと手続きで全体像を確認しておくと段取りがつかみやすくなります。必要書類や順番は自治体によって違うため、転居前に両方の市区町村へ確認しておくと安心です。

施設探しの段階で確認しておきたいチェック項目は次のとおりです。

  • この施設は住所地特例の対象か(対象外の地域密着型か)
  • 入居に住民票の移転が必要か、いつまでに行うか
  • 入居後の保険者(保険料の管理先)はどの市町村になるか
  • 受給資格証明書の発行・認定引き継ぎの段取りを誰が支援してくれるか
  • 手続きに必要な書類・本人確認・代理人の可否入居時に求められる書類の全体像もあわせて確認しておくと準備しやすくなります)

これらは施設の相談員、ケアマネジャー、自治体の介護保険窓口に質問すれば整理できます。費用・制度・対象区分は変わることがあるため、最終判断は必ず最新の公式情報と重要事項説明書で確認してください。

FAQ

このガイドのよくある質問

A.

生活の本拠が施設に移る場合、住民票の異動は住民基本台帳法上の届出義務とされています。一方、短期入所(ショートステイ)など本拠が移らないと考えられるケースの扱いは個別事情によって自治体の判断が分かれるため、移す必要があるかどうかは入居先・お住まいの市区町村に確認するのが確実です。

A.

特別養護老人ホームや有料老人ホームなど「住所地特例」の対象施設では、住民票を移しても移す前の市町村が引き続き保険者となるのが原則です。ただし保険料の金額は市町村や所得で異なり、ここで断定はできません。対象施設かどうかと具体的な金額は、施設の重要事項説明書とお住まいの自治体の最新情報でご確認ください。

A.

転出時に受給資格証明書の交付を受け、転入日から14日以内に新住所地で認定申請を行うと、前住所地の要介護度が引き継がれるのが一般的な取り扱いとされています。14日を過ぎると新規申請の扱いになる場合があるため注意が必要です。マイナンバー連携で証明書なしでも手続きできる自治体もありますが、対応は自治体差があり要確認です。

A.

認知症グループホームなどの地域密着型サービスは原則として住所地特例の対象外で、住民票のある市町村が保険者となるのが一般的です。他の市区町村のグループホームに入る場合は、施設所在地への住民票の移転が必要になるケースが一般的です。住民票の移転が入居条件か、移した後の保険者はどこかを、施設と自治体の両方に確認してください。

Sources

参照・確認する一次情報

制度や費用は変更されることがあるため、公式情報と施設の資料を確認しながら更新します。

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