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かかりつけ医をどう引き継ぐかを表すイラスト手続き

かかりつけ医をどう引き継ぐか

作成日
2026年6月21日
最終更新日
2026年7月8日

施設入居時にかかりつけ医をどう引き継ぐかを、診療情報提供書と健康診断書の違い、入居後も今の主治医を続けられるかの施設種別ごとの傾向、医療体制の確認ポイントから整理します。費用や継続可否、制度の最新内容は施設・主治医・自治体への確認が前提です。

01「引き継ぎ」の主役は2つの書類—診療情報提供書と健康診断書

かかりつけ医の引き継ぎでまず押さえたいのは、役割の違う2つの書類です。

ひとつは診療情報提供書(しんりょうじょうほうていきょうしょ)。これは医師が別の医師宛てに書く「紹介状」で、本人の氏名や生年月日、これまでの診療の経過、服薬内容などがまとめられます。いわば医師から医師へ、医療情報をバトンタッチする書類です。

もうひとつは健康診断書。多くの場合、施設が用意した書式に医師が記入するもので、現在の健康状態を示し、入居の可否判断に使われます。血液・尿検査や胸部レントゲンなどが含まれることがありますが、項目は施設・書式によって異なります。

2つは目的が異なり、施設によっては両方の提出を求められることもあります。どちらが必要か・どの書式を使うか・費用や有効期限・保険適用の有無は施設や医療機関ごとに違い、ここで断定はできません。最新の案内は施設の入居案内で確かめ、費用や有効期限は依頼する医療機関に確認するのが確実です。診療情報提供書や健康診断書は入居時に必要な書類の一部にあたるため、申し込み前に「提出書類の一覧」をもらい、入居までの流れの中でいつまでにそろえるかを確認しておくと、準備の見通しが立ちます。

02入居後も今のかかりつけ医を続けられる?施設種別ごとの傾向

「これまでの主治医に、入居後も診てもらえるか」は多くのご家族が気にする点です。結論からいうと、施設種別と各施設の方針によって変わるため、一律ではありません。

大まかな傾向として、特養(介護老人福祉施設)や老健、介護医療院などの介護保険施設は、施設に関わる医師(配置医師など)が日常の健康管理を担うことが多く、施設内の体制が中心になりやすいとされています。一方、有料老人ホームやサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)、グループホームは、外部の訪問診療を契約する形が多く、これまでの主治医を続けられる余地がある場合があります。ただしこれは一般的な傾向であって、提携している医療機関や契約内容によって実際の可否は変わります。

そのため施設探しでは、「今の主治医を続けられますか」「外部の訪問診療を選べますか」「施設が提携している医療機関はどこですか」を、候補ごとに具体的に質問してください。継続できる場合でも、通院の付き添いや訪問の段取りが変わることがあります。最終的な可否は施設と現在の主治医の双方に確認するのが確実です。

03施設の医療体制を理解する—配置医師・協力医療機関・訪問診療

施設の医療体制には、おもに3つの登場人物がいます。①配置医師(施設に関わる医師。特養などで定期的な診察を担う)、②協力医療機関(急変時の対応や入院の受け皿となる連携先)、③訪問診療(医師が施設や住まいに出向いて診療する形)です。

制度面では、令和6年度の介護報酬改定で、介護保険施設などに対し、(1)病状急変時などに相談に応じる体制、(2)診療を行う体制、(3)入院が必要なときに原則受け入れる体制を確保した協力医療機関を定めることが求められるようになりました。ただし、この求めには3年間の経過措置があり、令和9年(2027年)3月31日までは努力義務とされています。どの体制まで義務とされるか・努力義務にとどまるかは施設の類型によって異なります。施設類型ごとの具体的な扱いは制度の細目に関わるため、最新の内容は厚生労働省の公表資料や自治体、各施設の重要事項説明書でご確認ください。

施設探しでは、この3つを切り分けて確認すると体制が見えてきます。「日常の診察は誰が担うのか」「夜間や急変時はどこが受けるのか」「入院が必要になったときの連携先はどこか」を質問しましょう。各施設の最新の体制は重要事項説明書で示されるため、契約前に必ず目を通してください。

施設の医療体制を、配置医師(日常の健康管理・定期的な診察)、協力医療機関(常時の相談対応・常時の診療体制・入院の原則受け入れという3つの体制)、訪問診療(今の主治医を続けられる場合もある)の3つの登場人物で整理し、見学で切り分けて質問する項目を添えた図

04引き継ぎの準備チェックリスト—服薬情報と依頼のタイミング

引き継ぎをスムーズにするには、早めの準備が肝心です。施設探しと並行して、次のものをそろえておくと安心です。

  • お薬手帳(現在の処方がひと目でわかる。複数の医療機関にかかっている場合は特に重要)
  • 服薬中の薬の一覧(薬の名前・量・飲むタイミング)
  • 既往歴やアレルギー、これまでの治療の経過のメモ
  • 現在の主治医の連絡先(診療情報提供書を依頼する窓口)

診療情報提供書(紹介状)は主治医に作成を依頼します。いつまでに、どの宛先(施設の協力医療機関や訪問診療の医師など)に向けて書いてもらうかは、引き継ぎ先が決まらないと宛先が定まりません。そのため、施設の医療体制と引き継ぎ先を確認したうえで、余裕をもって主治医に相談するのが現実的です。

作成にかかる日数や費用は医療機関によって異なり、ここで一律にお伝えはできません。退院後すぐの入居など日程がタイトな場合は、主治医・施設・(必要に応じて)ケアマネジャーに早めに段取りを相談しておくと、当日あわてずに済みます。

05医療的ケアがある場合に施設へ必ず確認すること

喀痰吸引(かくたんきゅういん/たんの吸引)や経管栄養(胃ろう・腸ろう・経鼻経管栄養)などの医療的ケアが必要な場合、「施設なら必ず対応できる」とは限りません。ここは慎重に確認すべきところです。

介護職員がたんの吸引等を行うには、制度上の決まりがあります。これは2012年4月の社会福祉士及び介護福祉士法の改正で創設された仕組みで、対象は口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部の喀痰吸引と、胃ろう・腸ろう・経鼻経管栄養です。介護職員が実施するには、喀痰吸引等研修の修了、都道府県による認定(認定特定行為業務従事者)、所属事業者の登録が必要で、医師・看護職員などとの連携による安全確保が前提とされています。研修には対象行為の異なる区分(不特定の人を対象とする第1号・第2号研修、特定の人を対象とする第3号研修)があります。

つまり、対応できるかどうかは施設の看護体制と、研修を修了した職員がいるかなどによって変わります。施設探しでは、「このケアに対応できますか」「夜間も対応できますか」「看護師は常駐していますか」「主治医や訪問看護との連携はどうなりますか」を具体的に確認してください。在宅酸素やインスリン、たんの吸引など、ケアの種類ごとに体制は変わるため、医療対応が必要な人の施設選びのポイントや、たんの吸引に対応できる施設の探し方もあわせて確認しておくと、質問の漏れを防げます。可否や条件は断定せず、施設と現在の主治医に確認するのが確実です。

FAQ

このガイドのよくある質問

A.

診療情報提供書は医師が別の医師宛てに書く紹介状で、診療の経過や服薬内容など医療情報を引き継ぐための書類です。健康診断書は現在の健康状態を示し、施設の入居可否判断に使われます。目的が異なり、施設によっては両方の提出を求められることもあります。どちらが必要か・書式・費用・有効期限・保険適用の有無は施設や医療機関ごとに違うため、申し込み前に提出書類の一覧を施設へ、費用は依頼先の医療機関へ確認してください。

A.

施設種別と各施設の方針によって変わるため一律ではありません。特養や老健などは施設に関わる医師が中心になりやすく、有料老人ホームやサ高住は外部の訪問診療を契約して継続できる余地がある場合もあります。ただし提携先や契約内容で実際の可否は変わります。候補施設ごとに『今の主治医を続けられるか』『外部の訪問診療を選べるか』を確認し、最終的には施設と現在の主治医の双方に相談するのが確実です。

A.

施設なら必ず対応できるとは限りません。介護職員がたんの吸引や経管栄養を行うには、研修の修了・都道府県の認定・事業者の登録が必要で、医師や看護職員との連携による安全確保が前提です。対応の可否は施設の看護体制や研修修了職員の有無などで変わります。施設探しでは、必要なケアに対応できるか、夜間も含めた看護体制、主治医や訪問看護との連携を具体的に確認してください。可否や条件は断定せず、施設と主治医に確認するのが確実です。

Sources

参照・確認する一次情報

制度や費用は変更されることがあるため、公式情報と施設の資料を確認しながら更新します。

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