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介護老人保健施設(老健)とは|在宅復帰を目指す「中間施設」の役割と探し方を表すイラスト施設種別

介護老人保健施設(老健)とは|在宅復帰を目指す「中間施設」の役割と探し方

作成日
2026年6月21日
最終更新日
2026年6月21日

介護老人保健施設(老健)は、リハビリと医療・看護・介護を一体で提供し、在宅復帰を目指す施設です。特養との違い、入所の目安、5類型の見方、費用の考え方、施設選びで確認したい点を、ご家族の目線でわかりやすく整理します。

01介護老人保健施設(老健)とは|「在宅復帰を目指す」施設

介護老人保健施設は、一般に「老健(ろうけん)」と呼ばれます。介護保険法(第8条第28項)では、要介護の方であって主に心身の機能の維持回復を図り、居宅における生活を営めるようにするための支援が必要な方に対し、施設サービス計画にもとづいて看護、医学的管理のもとでの介護や機能訓練(リハビリ)、その他必要な医療や日常生活上の世話を行う施設として位置づけられています。

ポイントは「在宅復帰」という考え方です。厚生労働省の資料でも、老健は要介護高齢者にリハビリ等を提供して在宅復帰を目指す施設、在宅復帰・在宅療養支援のための地域拠点となる施設として整理されています。つまり、ずっと暮らし続ける“終のすみか”というより、自宅と病院の中間に位置し、リハビリで体の機能の維持・回復をはかりながら在宅に戻ることを目指す施設という性格です。

施設探しの最初の一歩として、「ここは長く暮らす場所を探しているのか、それとも退院後に一度リハビリで力を取り戻す場所を探しているのか」を、ご家族の中で言葉にしてみてください。目的が“在宅復帰”寄りなら老健が候補になりますし、“生活の場”を探しているなら別の施設種別が合うこともあります。各施設が在宅復帰にどれくらい力を入れているかは施設ごとに差があるため、見学やパンフレット、重要事項説明書で方針を確認するのがおすすめです。

02老健が担う4つの機能(医療・看護/リハビリ/介護/在宅復帰支援)

老健の特徴は、医療・看護・リハビリ・介護を一つの施設の中で組み合わせて提供する点にあります。

人員配置の基準を見ると、その医療色の濃さがわかります。厚生労働省の基準では、老健には常勤の医師が1人以上(おおむね入所者100人に1人以上)配置され、看護職員・介護職員はあわせて入所者3人に対して1人以上、さらに理学療法士・作業療法士・言語聴覚士といったリハビリ専門職や栄養士(または管理栄養士)、支援相談員、介護支援専門員(ケアマネジャー)などが置かれます。医師が常勤でいる点は、必要数(非常勤も可)とされる特別養護老人ホーム(特養)との大きな違いです。

この体制により、(1)医師による医学的管理と日々の健康管理、(2)看護職員による医療的なケア、(3)リハビリ専門職による機能訓練、(4)介護職員による生活支援、という機能が一体で受けられます。

ただし注意したいのは、人員基準を満たしていることと、特定の医療的ケアに対応できるかは別の話だということです。喀痰吸引(たんの吸引)や経管栄養(胃ろう等)などへの対応可否、夜間の看護体制は施設ごとに異なります。「老健だから必ず対応できる」とは言えませんので、必要なケアがある場合は、見学時に夜間も含めた看護体制と、具体的なケアへの対応可否を必ず一つずつ確認してください。

03特養・介護医療院との違い|「生活の場」ではなく「中間施設」

似た施設と混同しやすいため、性格の違いを整理します。厚生労働省は介護保険の施設をその役割で区別しており、おおまかには次のように整理されています。

  • 介護老人保健施設(老健):リハビリ等を提供し在宅復帰を目指す施設。医師が常勤。
  • 特別養護老人ホーム(特養/介護老人福祉施設):要介護高齢者のための生活施設。長く暮らす“生活の場”としての性格。
  • 介護医療院など:医療の必要性が比較的高い方の長期療養を支える施設。介護医療院がどんな施設かは別記事で詳しく解説しています。

つまり老健は、特養のように「ずっと暮らす場所」とは設計思想が異なり、在宅復帰までの“中間施設”という位置づけです。看護師やリハビリ専門職が手厚く関わるぶん、費用の内訳も特養とは変わってくることがあります(費用は後述のとおり一概には言えません)。

施設探しでは、まず「生活の場を探しているのか/在宅復帰のための一時的な滞在先を探しているのか」を切り分けることが大切です。退院後にリハビリで力を取り戻したい段階なら老健、長期的な生活の場を探しているなら特養や有料老人ホームなど、というように、老人ホームの種類全体から目的に合わせて選ぶと候補が絞りやすくなります。どの種別が合うか迷うときは、担当のケアマネジャーや地域包括支援センターに相談してみてください。

04入所できる人・入所期間の目安(在宅復帰が前提)

老健は在宅復帰を目指す性格上、入所期間はおおむね3か月から6か月程度が一つの目安とされています(公益的な情報源での一般的な説明)。多くは3か月から6か月ごとに在宅復帰の見込みや状態を確認しながら、入所を続けるかどうかを判断していく運用が一般的です。リハビリの進み具合によって滞在が長くなることもありますが、「いつまでも住み続けられる施設」ではない点は、最初に理解しておきたいところです。

入所の対象は、一般的には病状が安定していて入院や治療を必要としない、要介護の認定を受けた方とされています。ただし、要介護度のどこからを受け入れるか、医療依存度の高い方を受け入れられるかは、施設の体制や方針によって差があります。入所条件の細かい部分は、施設ごと・自治体ごとに異なるため、必ず各施設へ確認してください。

施設探しの実務では、(1)在宅復帰を3〜6か月の目安でどう支援してくれるのか、(2)期間が過ぎたあと、在宅に戻れない場合の選択肢(次の施設探しの相談に乗ってもらえるか等)をどう考えているのか、(3)退所後の生活を見据えた支援(自宅訪問やケアプラン作成、外泊の練習など)があるか、を確認しておくと安心です。退所後の道筋まで一緒に考えてくれるかどうかは、施設選びの大切な判断材料になります。

05在宅復帰・在宅療養支援機能の「5類型」の見方

老健は、在宅復帰や在宅療養支援にどれだけ力を入れているかによって、「超強化型・在宅強化型・加算型・基本型・その他型」の5つのタイプに区分されています(平成30年度/2018年の介護報酬改定で導入された区分で、その後の改定でも見直されています)。

区分の評価には、在宅復帰率(入所した方が自宅などに戻る割合)やベッド回転率(一定期間でどれだけ入退所があるか)、リハビリ専門職の配置、退所前後の訪問・指導の実施状況などの指標が使われます。在宅復帰に積極的なタイプほど、これらの基準が高く設定されている傾向があります。

ご家族にとって、この類型は「その老健がどれくらい在宅復帰に力を入れているか」を知る手がかりになります。リハビリで自宅復帰を強く目指したい場合は、在宅復帰支援に積極的なタイプが候補になりますし、状態に合わせてじっくり過ごしたい場合は別のタイプが合うこともあります。

ただし、「類型が上だから良い施設」と単純に言えるわけではありません。在宅復帰に積極的な施設は退所のサイクルも早い傾向があるため、ご本人やご家族の希望と合うかどうかが大切です。見学時に「こちらは現在どの類型ですか」「在宅復帰に向けてどんな支援をしていますか」と率直に聞いてみると、その施設の方針が具体的に見えてきます。各類型の要件は改定で変わることがあるため、最新の内容は施設や自治体へご確認ください。

06費用の考え方と、施設探しで確認したいチェックポイント

費用の全体像は、(1)施設サービス費の自己負担(介護保険の対象。原則1割、所得に応じて2割または3割)に加えて、(2)居住費、(3)食費、(4)理美容代などの日常生活費を負担する、という構成です。所得や資産が一定以下の方には、食費・居住費に上限(負担限度額)を設けて超過分を介護保険から補う「負担限度額認定(特定入所者介護サービス費)」という仕組みがあり、利用にはお住まいの市区町村への申請が必要です。

ただし、具体的な月額や要介護度ごとの金額は、施設のタイプ(多床室か個室か等)・要介護度・所得段階・加算の有無によって大きく変わります。この記事で「月いくら」と断定することはできません。正確な費用は、必ず各施設の最新の料金表や重要事項説明書で確認し、軽減制度の対象になるかは市区町村にご相談ください。

最後に、施設探しで確認したいチェックポイントをまとめます。

  • 在宅復帰の方針と類型:どのタイプで、在宅復帰にどう取り組んでいるか
  • リハビリ体制:リハビリ専門職の人数、週あたりの頻度や時間。リハビリできる老人ホームの選び方も参考に確認するとよいでしょう
  • 医療・看護体制:夜間を含む看護体制、必要な医療的ケアへの対応可否
  • 退所後の支援:自宅訪問やケアプラン作成、次の住まいの相談に乗ってくれるか
  • 費用の内訳:施設サービス費・居住費・食費・加算を、重要事項説明書で一つずつ確認

口コミやパンフレットの印象だけで決めず、見学で実際の雰囲気とスタッフの対応を確かめることをおすすめします。

FAQ

このガイドのよくある質問

A.

老健は在宅復帰を目指す施設という性格上、入所期間はおおむね3か月から6か月程度が一つの目安とされています。多くは3か月から6か月ごとに在宅復帰の見込みや状態を確認しながら、入所を続けるかを判断していきます。リハビリの進み具合によって滞在が長くなることもありますが、特養のように「ずっと暮らし続ける施設」とは設計が異なります。期間や運用の詳細は施設ごとに異なるため、見学時に「どのくらいの期間を想定しているか」「在宅に戻れない場合にどう相談に乗ってもらえるか」を確認することをおすすめします。

A.

大きな違いは“施設の目的”です。老健はリハビリを提供して在宅復帰を目指す「中間施設」、特養は要介護高齢者が長く暮らす「生活施設」という位置づけです。人員面では、老健は医師が常勤で配置され、リハビリ専門職も置かれる点が特徴で、特養の医師は必要数(非常勤も可)とされています。退院後にリハビリで力を取り戻したい段階なら老健、長期的な生活の場を探しているなら特養が候補になりやすいです。どちらが合うか迷うときは、担当のケアマネジャーや地域包括支援センターに相談してみてください。

A.

老健は医師が常勤し看護職員も配置される医療色の濃い施設ですが、「老健なら必ず対応できる」とは言い切れません。喀痰吸引(たんの吸引)や経管栄養(胃ろう等)への対応可否、夜間の看護体制は、施設ごとに異なります。必要なケアがある場合は、見学や問い合わせの際に、具体的なケアの内容を伝えたうえで「夜間も含めて対応できるか」を一つずつ確認することが大切です。対応可否は各施設へ直接ご確認ください。

A.

費用は、施設サービス費の自己負担(原則1割、所得に応じて2割または3割)に加えて、居住費・食費・日常生活費がかかる構成です。具体的な金額は、部屋のタイプ・要介護度・所得段階・加算の有無で大きく変わるため、一概には言えません。所得や資産が一定以下の方には、食費・居住費の負担を軽くする「負担限度額認定」という制度があり、市区町村への申請が必要です。正確な金額は各施設の最新の料金表や重要事項説明書で確認し、軽減制度の対象になるかはお住まいの市区町村にご相談ください。

Sources

参照・確認する一次情報

制度や費用は変更されることがあるため、公式情報と施設の資料を確認しながら更新します。

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