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特養の費用はいくらか ― 月額の内訳と軽減制度をやさしく整理を表すイラスト費用

特養の費用はいくらか ― 月額の内訳と軽減制度をやさしく整理

作成日
2026年6月21日
最終更新日
2026年6月21日

特養(特別養護老人ホーム)の月額費用は「施設サービス費の自己負担+食費+居住費+日常生活費」で決まります。厚労省の基準費用額を目安に内訳を整理し、低所得の方の負担を軽くする負担限度額認定まで、施設探しで確認すべき点をやさしく解説します。

01特養の費用は「4つの内訳」で決まる

親御さんやご家族の施設を考えるとき、まず気になるのが毎月の費用だと思います。特養(特別養護老人ホーム=制度上の名前は「介護老人福祉施設」)の月額費用は、大きく次の4つに分かれます。

  1. 施設サービス費の自己負担 … 介護そのものにかかる費用。介護保険が使え、自己負担は原則1割(所得により2割または3割)です。
  2. 食費 … 食事にかかる費用。
  3. 居住費 … 部屋代にあたる費用。
  4. 日常生活費 … 理美容代・嗜好品など、施設ごとに設定される費用。

厚生労働省の説明では、たとえば要介護5・多床室の場合の一例として、施設サービス費の1割が約26,130円、居住費が約27,450円、食費が約43,350円、日常生活費が約10,000円で、合計の目安は月約10万7千円とされています(出典:厚労省 介護サービス情報公表システム「サービスにかかる利用料」)。

ただしこれはあくまで一つの例です。要介護度・部屋タイプ・所得・地域・施設ごとの加算によって金額は大きく変わりますし、特養以外の施設種別を含めた入居費用全体の相場感をあわせて見ておくと、特養の位置づけがつかみやすくなります。施設探しの段階では、各施設の「重要事項説明書」と「料金表」で、その施設の実際の費用を必ず確認しましょう。

02施設サービス費の自己負担は1〜3割

4つの内訳のうち、介護保険が直接かかわるのが「施設サービス費」です。厚生労働省は「介護サービスにかかった費用の1割(一定以上所得者の場合は2割または3割)」が自己負担になると説明しています。

この金額は、次のような要素で変わります。

  • 要介護度 … 要介護1より要介護5のほうが、介護にかかる費用が大きくなる傾向があります。
  • 部屋タイプ … 多床室・従来型個室・ユニット型などで基本の単位が異なります。
  • 加算 … 看護体制やリハビリ、看取り対応などの体制によって加算がつくことがあります。
  • 負担割合 … 本人や世帯の所得に応じて1〜3割が決まります。

ご自身の負担割合は、市区町村から届く「介護保険負担割合証」で確認できます。具体的な施設サービス費の金額は、要介護度・部屋タイプ・その施設の加算の組み合わせで決まるため一律には言えません。気になる施設が見つかったら、「うちの場合(この要介護度・この部屋)だと施設サービス費はおおよそいくらか」を施設の相談員に直接たずねるのが確実です。最終的な金額は施設・自治体へご確認ください。

03食費と居住費の「目安」 ― 厚労省の基準費用額

食費と居住費には、厚生労働省が定める「基準費用額(標準的な費用の額)」という目安があります。以下は令和6年8月改定後の額です(出典:厚労省 介護保険最新情報Vol.1280)。

食費の基準費用額

  • 日額1,445円(月額の目安 約4.4万円)

居住費の基準費用額(特養・日額)

部屋タイプ日額月額の目安
多床室915円約2.8万円
従来型個室1,231円約3.7万円
ユニット型個室的多床室1,728円約5.3万円
ユニット型個室2,066円約6.3万円

この居住費の基準費用額は、令和6年8月から日額60円引き上げられました。なお令和7年8月には、老健の「その他型・療養型」や介護医療院の「II型」の多床室に入所する一部の方を対象に「室料相当額控除(室料負担)」のしくみが導入され、これらの施設の居住費(基準費用額)が見直されましたが、特養はこの対象外で、特養の多床室の基準費用額は915円のまま据え置かれています(出典:厚労省 介護保険最新情報Vol.1397)。

注意したいのは、これらは「目安」だという点です。 補足給付の対象でない方(後述の第4段階)の食費・居住費は、施設と利用者の契約で決まります。実際にいくら請求されるかは施設ごとに異なるため、最新の金額は各施設の重要事項説明書・料金表で確認しましょう。

04低所得の方の負担を軽くする「負担限度額認定」

収入や貯蓄が少なく、食費・居住費の負担が重い方のために、「負担限度額認定(特定入所者介護サービス費=通称『補足給付』)」という制度があります。基準費用額と負担限度額の差額が介護保険から支給され、食費・居住費の負担が軽くなる仕組みです。

対象は、原則として世帯全員(世帯を分けている配偶者を含む)が市町村民税非課税で、本人・配偶者の預貯金等が基準以下の方です。所得と預貯金に応じて段階が分かれます(令和6年8月〜、預貯金額は夫婦の場合)。

  • 第1段階:生活保護受給者など/世帯全員が市町村民税非課税の老齢福祉年金受給者は預貯金1,000万円(2,000万円)以下
  • 第2段階:年金収入+合計所得80万円以下/650万円(1,650万円)以下
  • 第3段階①:同80万円超〜120万円以下/550万円(1,550万円)以下
  • 第3段階②:同120万円超/500万円(1,500万円)以下
  • 第4段階:世帯に課税者がいる・本人課税 → 補足給付の対象外

(出典:厚労省 介護保険最新情報Vol.1280)。なお所得区分の境界額は資料により細かな表記差があるため、ご自身がどの段階かは、お住まいの市区町村の介護保険窓口で必ず確認してください。 この認定を受けるには、本人が住む市区町村への申請が必要です。対象となるサービスは特養・老健・介護医療院への入所やショートステイです。

05段階別に見る食費・居住費の上限額

負担限度額認定を受けると、食費・居住費は段階ごとの「負担限度額」までで済みます。以下は令和6年8月以降の特養・施設入所時の日額です(出典:厚労省 介護保険最新情報Vol.1280。ショートステイは別額)。

食費の負担限度額(日額)

  • 第1段階300円/第2段階390円/第3段階①650円/第3段階②1,360円

居住費の負担限度額(特養・日額)

部屋タイプ第1段階第2段階第3段階①②
多床室0円430円430円
従来型個室380円480円880円
ユニット型個室的多床室550円550円1,370円
ユニット型個室880円880円1,370円

たとえば第1段階で多床室を利用する場合、居住費の負担限度額は0円となります。

これらはあくまで制度上の「上限額」です。最終的に請求される金額は、施設サービス費・日常生活費を含めた合計であり、施設ごとに異なります。施設見学のときは、「負担限度額認定を受けた場合、自分の段階だと月いくらになりそうか」を相談員にシミュレーションしてもらうと、現実的なイメージがつかめます。

06費用で困ったときの相談先と確認のしかた

費用の話は専門用語が多く、ご家族だけで判断するのは大変です。次の窓口を頼ってください。

  • ケアマネジャー(介護支援専門員) … 担当のケアマネがいれば、費用の見通しや施設選びを一緒に整理してくれます。
  • 地域包括支援センター … お住まいの地域の高齢者支援の総合窓口。介護や費用の相談ができます。
  • 市区町村の介護保険窓口 … 負担割合・負担限度額認定の段階・申請手続きを確認できます。

このほか、月々の介護サービス費の自己負担が一定額を超えたときに払い戻される「高額介護サービス費」や、医療費控除の対象になる場合など、負担を軽くする仕組みもあります。こうした軽減制度や税の控除、施設選びの工夫を横断的に整理した老人ホーム費用を抑えるための考え方もあわせて参考にしてください。ただし対象や金額は所得・状況によって異なるため、適用できるかどうかは必ず自治体・税務署・施設にご確認ください。

施設探しで費用を比較するときのポイントは、(1)各施設の重要事項説明書・料金表で内訳を確認する、(2)日常生活費など施設ごとに差が出る費用も見る、(3)自分の負担割合と負担限度額の段階を自治体で確認しておく、の3つです。数字に振り回されず、「この施設なら、わが家の場合いくらか」を一つずつ確認していきましょう。

FAQ

このガイドのよくある質問

A.

「施設サービス費の自己負担(原則1割、所得により2〜3割)+食費+居住費+日常生活費」の合計です。厚労省の例では要介護5・多床室で月約10万7千円が一つの目安として示されていますが、要介護度・部屋タイプ・所得・地域・施設の加算で大きく変わります。具体的な金額は、各施設の料金表・重要事項説明書と、お住まいの自治体でご確認ください。

A.

「負担限度額認定(補足給付)」という制度があり、食費・居住費の負担が軽くなります。対象は原則として世帯全員が市町村民税非課税で、本人・配偶者の預貯金等が基準以下の方です。所得・預貯金により第1〜第3段階に分かれます。利用には本人が住む市区町村への申請が必要です。ご自身がどの段階に当たるかは、市区町村の介護保険窓口で必ず確認してください。

A.

厚労省の基準費用額(令和6年8月改定後・特養・日額)では、居住費は多床室915円、ユニット型個室2,066円が目安です。負担限度額認定を受けた場合の居住費の上限額も部屋タイプで異なります(例:多床室は第1段階0円、ユニット型個室は第1段階880円)。ただしこれらは目安・上限であり、最終的な金額は施設ごとに異なるため、各施設の料金表でご確認ください。

Sources

参照・確認する一次情報

制度や費用は変更されることがあるため、公式情報と施設の資料を確認しながら更新します。

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