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グループホームと有料老人ホームの違い|認知症の家族の施設選びで確認することを表すイラスト施設種別

グループホームと有料老人ホームの違い|認知症の家族の施設選びで確認すること

作成日
2026年6月21日
最終更新日
2026年6月21日

認知症の家族の施設探しで迷う「グループホーム」と「有料老人ホーム」の違いを、対象・規模・住所要件・介護や医療の体制という5つの軸でやさしく整理。費用や医療対応は断定せず、施設ごとに何を確認すればよいかまで案内します。

01はじめに:2つの施設を「同じ土俵」で比べないために

認知症のあるご家族の住まいを探していると、「グループホーム」と「有料老人ホーム」という名前に必ず出会います。どちらも高齢者が暮らす場所ですが、実は成り立ちが違うため、同じ物差しでは比べにくいのが正直なところです。

グループホームは、正式には認知症対応型共同生活介護(にんちしょうたいおうがたきょうどうせいかつかいご)という介護保険のサービスです。認知症のある方が少人数で共同生活を送る形が決まっています(出典:厚生労働省 介護サービス情報公表システム)。

一方の有料老人ホームは、老人福祉法にもとづいて都道府県へ届け出る「住まい」で、提供されるサービスの内容によって種類が分かれます(出典:厚生労働省 有料老人ホーム関連資料)。

つまり「サービスの呼び名」と「住まいの種類」という、出発点の違う2つを並べていることになります。この記事では、両者を対象・規模・住所のきまり・介護の受け方・医療や看護の体制という5つの軸で整理します。なお、グループホームや有料老人ホーム以外の選択肢も含めて広く見渡したい場合は、老人ホーム全体の種類と選び方から確認すると全体像がつかみやすくなります。

施設探しの段階でまず意識したいのは、「制度の名前だけで決めない」こと。同じ種類の施設でも、職員体制や受け入れられる状態は施設ごとに大きく違います。また、制度の細かな運用や費用は変わることもあるため、最新情報は自治体・施設への確認が必要です。一般論を知ったうえで、最終的には気になった施設一つひとつに直接たずねる——この順番が、後悔の少ない施設選びの土台になります。

02グループホーム(認知症対応型共同生活介護)とは

グループホームは、認知症のある方を対象とした介護保険のサービスです。1つの共同生活住居に5〜9人の少人数が、介護スタッフと一緒に暮らし、食事・入浴などの日常生活の支援や機能訓練を受けながら生活します(出典:厚生労働省 介護サービス情報公表システム)。家庭的な雰囲気のなかで、なじみの顔ぶれと過ごせる点が特徴とされています。グループホームの特徴や対象・費用の考え方をより詳しく知りたい場合は、あわせて確認してみてください。

対象となるのは、認知症の診断を受けた要介護1〜5の方、および要支援2の方です。要支援1の方は利用できません(出典:厚生労働省 介護サービス情報公表システム)。利用条件は制度改正で見直されることもあるため、最新の取り扱いは市町村窓口などで確認してください。

もう一つ大切なのが、グループホームは地域密着型サービスに位置づけられている点です(出典:厚生労働省 介護サービス情報公表システム)。地域に密着した小規模な施設という性格上、原則として事業所と同じ市町村に住んでいる方が利用対象になるのが一般的です。ただし他の市町村にお住まいの親御さんを呼び寄せて入居できるかは、住所地特例や市町村ごとの取り扱いによって異なります。入居を検討する施設の所在地の市町村窓口・地域包括支援センターに必ず確認してください。

施設探しで確認したいこと:

  • 認知症の診断と要介護度が利用条件に合っているか
  • どの市町村に住んでいる人が対象か(住所のきまり)
  • 1ユニットの人数・雰囲気が本人に合いそうか(見学で)
  • 空き状況や待機の有無(施設ごとに異なるため要問い合わせ)

03有料老人ホームとは:3つの種類と「特定施設」

有料老人ホームは、老人福祉法第29条にもとづき、高齢者を入居させて「①食事の提供」「②入浴・排せつ・食事などの介護」「③洗濯・掃除などの家事」「④健康管理」のいずれか(複数でも可)を提供する住まいです。設置には都道府県知事等への届出が必要で、運営する主体は株式会社・社会福祉法人などさまざまです(出典:厚生労働省 有料老人ホーム関連資料)。

有料老人ホームは大きく3つの種類に分かれます(出典:厚生労働省 有料老人ホーム関連資料)。

  • 介護付:介護等のサービスが付いた住まい。介護が必要になっても、施設が提供する介護保険サービス「特定施設入居者生活介護」を利用しながら住み続けやすいタイプ。介護付有料老人ホームの詳しい仕組みや確認ポイントも参考にしてください。
  • 住宅型:生活支援等が付いた住まい。介護が必要になったら、入居者自身が外部の訪問介護など在宅サービスを選んで利用します。
  • 健康型:食事等のサービスが付いた住まい。自立して生活できる方が対象で、介護が必要になった場合は退去が必要になるのが一般的です(退去の条件は施設ごとに契約で定められているため、必ず事前に確認してください)。

「介護付」を名乗れるのは、届出とは別に、一定の基準を満たして都道府県知事から特定施設入居者生活介護の指定を受けた施設です(出典:厚生労働省 有料老人ホーム関連資料)。

施設探しで確認したいこと:

  • パンフレットやホームページでどの種類(介護付/住宅型/健康型)かを確認する
  • 「介護付」と書かれていれば、特定施設の指定を受けているか
  • 住宅型の場合、外部サービスの手配を誰がどう支えてくれるか

04比較でわかる5つの違い

ここまでを、施設選びで効いてくる5つの軸で整理します。

観点グループホーム有料老人ホーム
制度上の位置づけ介護保険サービス(認知症対応型共同生活介護)老人福祉法にもとづく住まい(届出制)
対象認知症の診断がある要支援2・要介護1〜5種類により幅広い(自立〜要介護)
規模1ユニット5〜9人の少人数施設により大小さまざま
住所のきまり原則として同じ市町村の住民が対象(地域密着型/施設・自治体に要確認)市町村をまたいだ入居も想定される(施設・自治体に要確認)
介護の受け方サービスとして一体的に提供介護付=特定施設で提供/住宅型=外部サービスを利用/健康型=要介護で退去が一般的

(出典:厚生労働省 介護サービス情報公表システム、有料老人ホーム関連資料)

この表は「どちらが良い」を決めるものではなく、本人の状態と希望に合うのはどちらの仕組みかを考えるための地図です。たとえば「認知症があり、少人数の落ち着いた環境がよい」ならグループホームが候補に、「介護が重くなっても同じ施設で暮らし続けたい」なら介護付有料老人ホームが候補に挙がりやすい、といった具合です。

ただし表はあくまで一般的な枠組み。同じ種類でも施設ごとに受け入れ状態・体制・雰囲気は異なります。気になる施設をいくつか見学し、表の各項目を「この施設ではどうか」と一つずつ当てはめて確認していくのがおすすめです。

05認知症や医療が関わるときに確認したいこと

認知症のあるご家族の場合、いま入居できるかだけでなく、この先の変化にどこまで付き合ってもらえるかが気がかりだと思います。ここはとくに制度の一般論で判断せず、施設ごとに確認すべき領域です。グループホームや有料老人ホーム以外も含め、認知症で入れる施設の種類や入居条件を広く比べておくと、選択肢を狭めすぎずに検討できます。

まず医療や看護の体制について。グループホームには医師・看護師の配置が法令で一律に義務づけられているわけではなく、看護職員の在籍状況や医療対応の範囲は施設によって異なります。喀痰吸引(かくたんきゅういん:のどにたまった痰を吸引器などで取り除く行為)や経管栄養(胃ろうなどから栄養を入れる行為)といった医療的ケアは、所定の研修を修了し体制を整えた職員が、定められた要件のもとで行える場合があります。「施設だから必ず対応できる」とは限らないため、対応の可否は必ず各施設に直接確認してください。

確認したいこと:

  • 服薬管理・通院の付き添い・夜間の急変時の対応はどうしているか
  • 喀痰吸引・経管栄養・インスリン注射など、必要な医療的ケアに対応できるか(できる/できないを明確に)
  • 連携している協力医療機関・看護体制はどうなっているか
  • 認知症が進んだとき、医療依存度が高くなったときに住み替え(退去)が必要になる条件はあるか

これらは口頭の説明だけでなく、後述の重要事項説明書にも目を通して、書面で確認しておくと安心です。

06費用・申し込みで気をつけること/確認チェックリスト

費用については、入居一時金や月額の相場をこの記事で断定することはできません。施設の種類・地域・居室タイプ・介護の状態によって大きく変わり、また料金は改定されることもあるためです。最新の費用は、各施設の料金表と「重要事項説明書」、介護保険の自己負担分は自治体の案内で必ず確認してください。「だいたいこのくらい」という思い込みで進めず、書面ベースで比べるのが鉄則です。

重要事項説明書には、人員体制・サービス内容・退去の条件・追加でかかる費用などが記載されています。契約前に受け取り、わからない点はその場で質問しましょう。

グループホームのように地域密着型のサービスは、申し込みの前提となる市町村のきまりもあります。利用条件や手続きは、お住まい(または入居先)の市町村窓口・地域包括支援センターに確認すると確実です。

施設探しの確認チェックリスト:

  • [ ] 本人の状態(認知症の有無・要介護度)が利用条件に合うか
  • [ ] 種類(グループホーム/介護付/住宅型/健康型)と仕組みを理解したか
  • [ ] 住所のきまり・申し込み手続きを市町村に確認したか
  • [ ] 必要な医療的ケアへの対応可否を施設に確認したか
  • [ ] 住み替え・退去になる条件を確認したか
  • [ ] 費用は料金表と重要事項説明書で確認したか
  • [ ] 見学して、本人に合いそうな雰囲気か確かめたか

制度の知識は出発点にすぎません。最後は、ご本人とご家族の希望に照らして、施設に直接たずねながら選んでいきましょう。

FAQ

このガイドのよくある質問

A.

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は、認知症の診断を受けた方が対象です。利用できるのは要介護1〜5の方と要支援2の方で、要支援1の方は利用できません(出典:厚生労働省 介護サービス情報公表システム)。利用条件は制度改正で見直されることもあるため最新の取り扱いはご確認ください。診断や要介護度の判定が前提になるため、まずはかかりつけ医や地域包括支援センター、ケアマネジャーにご相談ください。

A.

グループホームは「地域密着型サービス」のため、原則として事業所と同じ市町村に住んでいる方が利用対象になるのが一般的です(出典:厚生労働省 介護サービス情報公表システム)。他の市町村にお住まいの親御さんを呼び寄せて入居できるかは、住所地特例や市町村ごとの取り扱いによって異なります。入居を検討する施設がある市町村の窓口・地域包括支援センターに必ず確認してください。

A.

介護付は、介護が必要になっても施設が提供する介護保険サービス「特定施設入居者生活介護」を利用しながら住み続けやすいタイプです。一方の住宅型は、介護が必要になったら入居者自身が外部の訪問介護などの在宅サービスを選んで利用します(出典:厚生労働省 有料老人ホーム関連資料)。どちらの種類か、外部サービスの手配を誰が支えてくれるかを、施設のパンフレットや重要事項説明書で確認しましょう。

A.

医療的ケアへの対応は、施設ごとの体制によって異なり、「施設だから必ず対応できる」とは限りません。喀痰吸引や経管栄養は、所定の研修を修了し体制を整えた職員が要件のもとで行える場合がありますが、看護体制や対応範囲は施設によってさまざまです。必要なケアに対応できるかは、できる・できないを明確にする形で各施設に直接確認し、重要事項説明書でも書面で確かめてください。

Sources

参照・確認する一次情報

制度や費用は変更されることがあるため、公式情報と施設の資料を確認しながら更新します。

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