認知症のあるご家族の住まいを探していると、「グループホーム」と「有料老人ホーム」という名前に必ず出会います。どちらも高齢者が暮らす場所ですが、実は成り立ちが違うため、同じ物差しでは比べにくいのが正直なところです。
グループホームは、正式には認知症対応型共同生活介護(にんちしょうたいおうがたきょうどうせいかつかいご)という介護保険のサービスです。認知症のある方が少人数で共同生活を送る形が決まっています(出典:厚生労働省 介護サービス情報公表システム)。
一方の有料老人ホームは、老人福祉法にもとづいて都道府県へ届け出る「住まい」で、提供されるサービスの内容によって種類が分かれます(出典:厚生労働省 有料老人ホーム関連資料)。
つまり「サービスの呼び名」と「住まいの種類」という、出発点の違う2つを並べていることになります。この記事では、両者を対象・規模・住所のきまり・介護の受け方・医療や看護の体制という5つの軸で整理します。なお、グループホームや有料老人ホーム以外の選択肢も含めて広く見渡したい場合は、老人ホーム全体の種類と選び方から確認すると全体像がつかみやすくなります。
施設探しの段階でまず意識したいのは、「制度の名前だけで決めない」こと。同じ種類の施設でも、職員体制や受け入れられる状態は施設ごとに大きく違います。また、制度の細かな運用や費用は変わることもあるため、最新情報は自治体・施設への確認が必要です。一般論を知ったうえで、最終的には気になった施設一つひとつに直接たずねる——この順番が、後悔の少ない施設選びの土台になります。
