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有料老人ホームとサ高住の違い|根拠法・契約・介護対応で見分けるを表すイラスト施設種別

有料老人ホームとサ高住の違い|根拠法・契約・介護対応で見分ける

作成日
2026年6月21日
最終更新日
2026年6月21日

有料老人ホームとサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)は根拠法も基本性格も異なります。届出制と登録制、介護対応の仕方、契約と費用の違いを整理し、ご家族が施設探しで実際に確認すべきポイントまでやさしく解説します。最新の費用・制度は施設・自治体への確認が必要です。

01まず結論:違うのは「根拠法」と「基本的な性格」

有料老人ホームとサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)は、名前は似ていても、よって立つ法律も基本的な性格も異なります。ここを押さえると、後の比較がぐっと分かりやすくなります。

有料老人ホームサ高住
根拠法老人福祉法(第29条)
所管厚生労働省
手続き都道府県知事への届出
基本の性格食事・介護などを提供する「施設」
必ず付くサービス食事・介護・家事・健康管理のいずれか

(出典:厚生労働省「有料老人ホームの概要」、国土交通省「サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム」)

おおまかに言うと、有料老人ホームは「サービスありきの施設」、サ高住は「見守りのある住まい」が出発点です。ただし、これはあくまで制度上の枠組み。実際にどんな介護や食事が受けられるかは1軒ごとに大きく違うため、施設探しでは「制度の種別」だけで判断せず、必ず各施設の重要事項説明書やパンフレットで実際のサービス内容を確認することが大切です。最新の費用や対応可否は、施設・自治体へ直接ご確認ください。

02有料老人ホームとは|届出制の「施設」と3つの類型

有料老人ホームは、老人福祉法第29条第1項に基づく制度です。老人を入居させ、「食事の提供」「介護(入浴・排泄・食事)の提供」「洗濯・掃除等の家事の供与」「健康管理」のうち、いずれか(複数でも可)を提供する施設と定義され、設置にあたっては都道府県知事等への届出が必要です。設置主体は株式会社や社会福祉法人など問われません(出典:厚生労働省「有料老人ホームの概要」)。

有料老人ホームには3つの類型があります。それぞれの特徴や向いている人の違いは老人ホームの種類と選び方でも詳しく整理しています。

  • 介護付:介護等のサービスが付いた施設。介護が必要になっても、施設が提供する「特定施設入居者生活介護(※介護保険で定められた、施設の職員が介護を提供するサービス)」を利用しながら生活を続けられます。介護付の類型に絞った詳しい確認ポイントは介護付き有料老人ホームの解説をご覧ください。
  • 住宅型:生活支援等が付いた施設。介護が必要になった場合は、入居者自身の選択で地域の訪問介護等を利用しながら生活を続けます。
  • 健康型:食事等のサービスが付いた施設。介護が必要になった場合は契約を解除し、退去しなければなりません。

ここで注意したいのは、「介護付」と名乗れるのは、届出とは別に都道府県知事の指定(特定施設入居者生活介護の指定)を受けた施設だけという点です。施設探しでは、「介護付」表記の有無だけでなく、どの類型なのか、介護が重くなったときに住み続けられる体制があるのかを、パンフレットと重要事項説明書で確認しましょう。

03サ高住とは|登録制の「住まい」と必須サービスは2つだけ

サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)は、高齢者住まい法(高齢者の居住の安定確保に関する法律)に基づく登録制度で、国土交通省と厚生労働省の共管です。バリアフリー構造などのハード面の基準を満たし、ケアの専門家による安否確認や生活相談サービスを備えた住宅を、都道府県知事に登録します(出典:国土交通省「サービス付き高齢者向け住宅情報提供システム」)。仕組みや確認すべきポイントをさらに詳しく知りたい方は、サ高住の仕組みと確認ポイントのガイドもあわせてご覧ください。

おさえておきたいのは、サ高住が必ず提供しなければならないサービスは「状況把握(安否確認)」と「生活相談」の2つだけ、という点です。これらは一定要件を満たすスタッフが少なくとも日中は建物に常駐して提供します。一方、食事の提供や介護サービスは必須ではなく、付くかどうか・内容は住宅ごとに大きく異なります(出典:高齢者住宅財団「サービス付き高齢者向け住宅」)。

ハード面では、各専用部分の床面積は原則25㎡以上(居間・食堂・台所などの共用部分が高齢者の共同利用に十分な面積を持つ場合は18㎡以上とできる)とされ、廊下幅・段差解消・手すりなどのバリアフリーが求められます(出典:国土交通省・高齢者住宅財団)。

施設探しでは「サ高住だから介護も付いている」と思い込まないことが肝心です。食事は外注か自炊か、介護が必要になったときどう手配するのか、夜間はどんな体制なのかを、各住宅の登録情報や重要事項説明書で1軒ずつ確認してください。

04契約と費用で見る違い|返還ルールと権利金禁止

契約形態にも傾向の違いがあります。サ高住は書面による契約で専用部分が明示されることが求められ、賃貸借契約が基本です。一方、有料老人ホームは「利用権方式」と呼ばれる契約が用いられることが多いとされます。ただしこれはあくまで一般的な傾向で、実際の契約形態は施設ごとに異なるため、必ず個々の契約書で確認してください。

費用面では、入居時にまとまった前払金(入居一時金などと呼ばれます)が必要になる場合があり、ここでのトラブルを防ぐためのルールが法律で定められています。

  • 前払金の返還:有料老人ホームは、入居後一定期間で契約終了となった場合に、施行規則で定める方法で前払金を返還する契約を結ぶことが義務づけられています(老人福祉法第29条第8項)。返還額の算定方法は厚生労働省令(施行規則)で定められており、実際の利用期間に応じて精算されますが、具体的な算定方法・期間・金額は契約ごとに異なるため、必ず個々の契約書・重要事項説明書でご確認ください。
  • 権利金等の禁止:有料老人ホームでは、家賃・介護等のサービス費用・敷金のみ受領可能とし、権利金その他の金品を受領しないことが事業者に義務づけられています(老人福祉法第29条第6項)。
  • 前払金の保全措置:前払金を一括で受領する場合、返還債務に備えた保全措置を講じることが義務づけられています(老人福祉法第29条第7項)。
  • サ高住も、前払家賃等の返還ルールと保全措置が登録基準で求められています。

費用の金額そのものや相場は施設・時期によって大きく異なります。本記事では断定できないため、最新の料金は各施設の料金表・重要事項説明書で必ずご確認ください。

05介護が必要になったら?|「施設なら必ず対応」ではない

ご家族が最も気にされるのが、「介護が重くなっても、医療的なケアが必要になっても住み続けられるか」という点でしょう。ここは種別の名前だけでは判断できません。

大まかな整理はこうです。介護付有料老人ホームは、特定施設入居者生活介護の指定を受けており、施設の職員が介護を提供します。住宅型有料老人ホームやサ高住では、外部の訪問介護などを組み合わせて利用するのが基本です。健康型有料老人ホームは、介護が必要になると退去が必要になります。

ただし、「介護付だから安心」「サ高住だから不安」と単純には言えません。受けられる介護の量や、看護師の配置、夜間の体制、たんの吸引(喀痰吸引)や経管栄養(胃ろう)といった医療的ケアへの対応可否は、同じ種別でも施設ごとにまったく異なります。これらの医療的ケアは、研修を修了した職員や看護体制が整っているかどうかで対応の可否が決まるため、「施設なら必ず対応できる」わけではありません。

施設探しでは、(1)今の要介護度で入居できるか、(2)将来介護が重くなったときに住み続けられるか、(3)必要な医療的ケアに対応できる体制があるか、を施設に具体的に質問し、答えを重要事項説明書で裏取りすることをおすすめします。判断に迷うときは、担当のケアマネジャーや地域包括支援センターに相談しましょう。

06施設探しで必ず確認したい5つのチェックポイント

制度の違いを踏まえて、見学や問い合わせの際にご家族が確認したい点を5つにまとめます。種別だけで決めず、必ず1軒ごとに確かめるのがコツです。

  1. どの種別・類型か:有料老人ホームなら介護付/住宅型/健康型のどれか。サ高住なら介護や食事がどこまで付くか。「介護付」表記は特定施設の指定があるかも併せて確認。
  2. 介護が重くなったときの体制:今の要介護度で入れるか、将来住み続けられるか。退去が必要になる条件はあるか。
  3. 看護・医療体制:看護師の配置時間、夜間の対応、喀痰吸引や経管栄養など必要な医療的ケアへの対応可否。協力医療機関の有無も。
  4. 費用と前払金の返還ルール:入居一時金・月額費用の内訳、途中退去時にいくら戻るか。最新の金額は料金表で確認。
  5. 契約と退去の条件:契約形態(賃貸借か利用権方式か)、どんな場合に退去を求められるか。

これらはいずれも、口頭の説明だけでなく重要事項説明書という書面に書かれています。見学時にもらい、ご家族で読み合わせてから判断しましょう。契約前に確認しておきたい重要事項説明書・前払金・退去要件の見方は、老人ホーム契約前に確認することのガイドでまとめています。費用・制度・対応可否は変わることがあるため、最新の情報は施設・自治体に直接ご確認ください。

FAQ

このガイドのよくある質問

A.

制度上は、介護付有料老人ホーム(特定施設入居者生活介護の指定を受けた施設)は施設の職員が介護を提供するため、介護が重くなっても住み続けやすい性格があります。一方、住宅型有料老人ホームやサ高住は外部の訪問介護などを利用するのが基本で、健康型有料老人ホームは介護が必要になると退去が必要です。ただし、住み続けられるかは種別の名前だけでは決まらず、看護体制や夜間の対応など施設ごとに異なります。必ず各施設の重要事項説明書で確認してください。

A.

サ高住が必ず提供しなければならないのは「状況把握(安否確認)」と「生活相談」の2つだけです(高齢者住まい法に基づく登録基準)。これらは一定要件を満たすスタッフが少なくとも日中は建物に常駐して提供します。食事の提供や介護サービスは必須ではなく、付くかどうか・内容は住宅ごとに異なります。「サ高住だから介護も常時付いている」とは限らないため、各住宅の登録情報や重要事項説明書で実際のサービス内容をご確認ください。

A.

有料老人ホームでは、入居後一定期間で契約が終了した場合に、施行規則で定める方法で前払金を返還する契約を結ぶことが義務づけられています(老人福祉法第29条第8項)。また、前払金を一括で受領する場合は保全措置(同条第7項)、権利金等の受領禁止(同条第6項)も定められています。返還額の算定方法や対象期間・条件は契約ごとに異なるため、具体的な金額は契約前に重要事項説明書と契約書で必ず確認してください。サ高住も前払家賃等の返還ルールと保全措置が求められています。

Sources

参照・確認する一次情報

制度や費用は変更されることがあるため、公式情報と施設の資料を確認しながら更新します。

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