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老人ホームを比較するときのチェックリスト|5つの軸と確認すべき書類を表すイラスト探し方

老人ホームを比較するときのチェックリスト|5つの軸と確認すべき書類

作成日
2026年6月21日
最終更新日
2026年7月8日

老人ホームを比べる前に押さえたい5つの軸(施設種別と入居条件・職員体制・医療と看取り・費用と返金・立地と運営方針)を、確認すべき書類とあわせてやさしく整理したチェックリストです。費用や対応可否は施設・自治体の最新情報で確認しましょう。

01まず押さえる:「公的施設」と「民間施設」で土台が違う

老人ホームを比較する前に、まず大きな2つのグループに分けて考えると整理しやすくなります。ひとつは公的な位置づけの特別養護老人ホーム(特養)・介護老人保健施設(老健)・介護医療院、もうひとつは民間が運営する介護付き/住宅型の有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)です。施設種別ごとの特徴や選び方をより詳しく知りたい場合は、あわせて確認しておくと比較がスムーズです。

この2グループは、入居条件・費用の仕組み・受けられる体制が大きく異なります。たとえば特養は、平成27年(2015年)4月以降の新規入所が原則として要介護3以上に限定されています(要介護1・2でも、在宅生活が著しく困難でやむを得ない事情がある場合は市町村の関与のもとで特例入所が認められることがあります)。老健は在宅復帰を目的にリハビリや医療的管理を提供する施設で、入所は一時的な位置づけとされ、介護医療院は医療依存度が高い方に医学的管理のもとでケアを提供し看取りにも対応するとされる、といった具合に役割が分かれています。実際の入所期間や対応範囲は施設ごとに異なるため、要確認です。

比較の出発点は、「終のすみかを探しているのか」「在宅復帰までの一時的な滞在なのか」「医療的な管理が常時必要か」を整理すること。ここがずれていると、同じ表で並べても噛み合いません。まだ老人ホーム探しの最初の一歩として要介護認定の申請や相談窓口の使い方を押さえていない場合は先にそちらを整理し、ご本人の介護度・医療の必要度・希望する暮らし方をメモにしてから、種別を絞り込んでいきましょう。

02比較軸1:入居条件と施設種別が、希望と合っているか

最初に確認したいのは「そもそも入居できるか」という入口の条件です。種別ごとに、対象となる介護度・年齢・認知症への対応・在宅復帰を前提とするかどうかが違います。

  • 特養:原則要介護3以上。要介護1・2は特例入所の可否を市町村・施設に要確認。
  • 老健:在宅復帰が目的で滞在は一時的とされるため、長期の住まいを探している場合は方針が合うか要確認。
  • 介護医療院:医療依存度が高い方が対象とされる。
  • 介護付き有料老人ホーム:特定施設入居者生活介護の指定を受け、施設職員が介護を提供。
  • 住宅型有料・サ高住:介護は外部サービスを組み合わせる形が中心。

施設探しで実際に確認することは、「現在の介護度・状態で入居できるか」「入居後に介護度が上がっても住み続けられるか」「認知症の症状が進んでも対応できるか」の3点です。これらは施設ごとに方針が分かれます。客観的な事業所情報は、介護保険法第115条の35にもとづく介護サービス情報公表システム(全国の事業所を無料で検索・比較できる公的なしくみ)で確認でき、最終的な可否は各施設へ直接たずねるのが確実です。

03比較軸2:職員体制とケアの手厚さを「数字」で見る

パンフレットの「手厚いケア」という言葉だけでは比較になりません。職員体制は、できるだけ具体的な数字で確認します。

介護付き有料老人ホームなどの特定施設入居者生活介護では、人員基準として、看護職員と介護職員の合計が常勤換算で要介護者3人につき1人以上(いわゆる3対1)と定められています。看護職員は、利用者30人以下で常勤換算1人以上、30人を超える場合は利用者50人ごとに1人を追加する算定とされています。これはあくまで最低基準で、これより手厚い体制をとる施設もあります。

施設探しで確認したいのは次の点です。

  • 日中だけでなく夜間の職員配置は何人か
  • 看護職員が常駐する時間帯はいつか(夜間・休日はどうなるか)
  • 基準ぎりぎりか、基準より手厚いか

こうした体制は、介護サービス情報公表システムの「基本情報」や、施設の重要事項説明書に記載があります。実際に見学で確認しておきたいポイントを踏まえたうえで「夜は何人で見守りますか」と具体的に質問し、書面の数字と照らし合わせると、施設ごとの差が見えてきます。なお住宅型有料・サ高住は介護を外部サービスで補う形が中心のため、別の見方が必要になる点に注意してください。

04比較軸3:医療対応と看取り ―「施設なら必ず対応可」ではない

医療的なケアが必要な場合は、ここが最重要の比較軸になります。注意したいのは、喀痰吸引(口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部)や経管栄養(胃ろう・腸ろう・経鼻経管栄養)は医行為だということです。

介護職員がこれらを行うには、社会福祉士及び介護福祉士法にもとづき、(1)喀痰吸引等研修の修了、(2)都道府県からの認定特定行為業務従事者認定証の交付、(3)所属事業者が登録特定行為事業者として登録されていること、という3つの要件がそろう必要があるとされています。つまり「介護施設なら必ず吸引や胃ろうに対応できる」とは限りません。対応できるかどうかは、研修を修了した職員がいるか、看護体制がどうかによって施設ごとに変わります。

施設探しで確認することは、ご本人に必要な医療的ケア(吸引、経管栄養、インスリン、在宅酸素、看取りなど)を一つずつ挙げ、「この処置に対応できますか」「夜間や急変時はどうしますか」「協力医療機関はどこですか」と具体的にたずねることです。看取りの方針(最期まで居られるか、状態によって退去・転院になるか)も施設によって異なるため、重要事項説明書と直接の確認で必ずすり合わせましょう。本ガイドでは個別施設の対応可否は断定できないため、最新の状況は各施設へご確認ください。

05比較軸4:費用の内訳と返金ルールを契約前に確認する

費用は「月額いくら」という表示だけで比べると見誤ります。初期費用と月額、それぞれの内訳を分けて確認しましょう。

有料老人ホームの前払金(入居一時金)については、老人福祉法第29条第6項により保全措置(施設が倒産した場合などに備えて一定額を守るしくみ)が義務づけられています。さらに、入居後3カ月以内に契約解除・死亡で契約が終了した場合は、前払金から所定の方法で算定した額を控除した残額を返還する契約とすることが定められています(いわゆる短期解約特例=90日ルール)。早期退去時にいくら戻るのかは、契約書と重要事項説明書の計算方法で確認します。

月額は、家賃・管理費・食費・介護サービス費(介護保険適用部分は原則1〜3割負担)などで構成され、おむつ代・医療費・通院付き添いなどが別料金になることがあります。施設探しで確認することは次の3点です。

  • 前払金の保全措置の有無90日ルールの返還計算
  • 月額に含まれる項目/別料金になる項目
  • 介護度が上がったとき費用がどう変わるか

費用や制度は改定されることがあるため、断定された相場ではなく、各施設の最新の料金表・重要事項説明書、自治体の負担軽減制度のページで確認してください。

06比較軸5:立地・居室・運営方針と「比較メモ」のつくり方

最後は、暮らしの質に関わる軸です。立地(家族の通いやすさ)、居室のタイプ(個室か相部屋か)、運営方針(看取りや認知症ケアの考え方、行事や外出の自由度)は、数字に表れにくいぶん見学で確かめる価値があります。

サ高住を検討する場合は、高齢者住まい法(高齢者の居住の安定確保に関する法律)にもとづく登録制度であることも押さえておきましょう。バリアフリー構造、安否確認・生活相談(見守り)サービス、前払金の保全措置などが登録基準とされ、各居住部分の床面積は原則25㎡以上(居間・食堂・台所などの共用部分が高齢者の共同利用に十分な面積を持つ場合は18㎡以上)が目安とされています。詳細な基準は登録先の自治体で要確認です。

複数施設を公平に比べるには、同じ項目で並べた比較メモをつくるのが有効です。チェックする列の例は次のとおりです。

  • 施設種別/入居条件(介護度・認知症対応)
  • 職員体制(日中・夜間・看護常駐時間)
  • 医療対応・看取り方針
  • 前払金と返還ルール/月額の内訳
  • 立地・居室・雰囲気・スタッフの対応

このとき、客観情報は介護サービス情報公表システムと各施設の重要事項説明書(職員配置・料金・サービス内容・虐待防止や身体的拘束等の適正化の取組などが記載された書面)で照合し、印象だけで決めないようにします。料金・空室・対応可否は時期で変わるため、最終確認は施設・自治体への問い合わせで行ってください。

FAQ

このガイドのよくある質問

A.

特養の新規入所は、平成27年(2015年)4月以降は原則として要介護3以上が対象です。ただし要介護1・2でも、在宅生活が著しく困難でやむを得ない事情がある場合は、市町村の関与のもとで特例入所が認められることがあります。対象になるかは状況により異なるため、お住まいの市町村と施設へご確認ください。

A.

喀痰吸引や経管栄養は医行為で、介護職員が行うには研修の修了・認定証の交付・事業者の登録という要件がそろう必要があります。そのため「施設なら必ず対応可」とは限りません。介護サービス情報公表システムや重要事項説明書で看護・医療体制を確認したうえで、必要な処置ごとに対応可否・夜間や急変時の対応・協力医療機関を各施設へ直接ご確認ください。

A.

有料老人ホームの前払金には老人福祉法にもとづく保全措置が義務づけられ、入居後3カ月以内に契約が終了した場合は、所定の方法で算定した額を控除した残額を返還する契約とされています(いわゆる90日ルール)。返還の具体的な計算方法は施設ごとに異なるため、契約書と重要事項説明書で必ず確認してください。

Sources

参照・確認する一次情報

制度や費用は変更されることがあるため、公式情報と施設の資料を確認しながら更新します。

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