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看護師がいる老人ホームの選び方|夜間・医療的ケアまで確認する観点を表すイラスト医療・看護

看護師がいる老人ホームの選び方|夜間・医療的ケアまで確認する観点

作成日
2026年6月21日
最終更新日
2026年7月8日

「看護師がいる老人ホーム」と一口に言っても、日中だけか夜間も連絡が取れるかで体制は大きく異なります。施設種別ごとの看護配置の考え方、24時間配置とオンコールの違い、必要な医療的ケアの確認方法を、家族の施設探しの視点で整理します。

01「看護師がいる」にも段階がある——まず確認したいこと

「看護師がいる老人ホーム」という言葉は安心材料に見えますが、実際の体制は施設によって大きく異なります。確認したいのは「いつ」「どこまで」看護師が関わるかです。日中だけ看護師が常駐し、夜間は不在で電話連絡(オンコール)で対応する施設もあれば、夜間も含めて手厚い体制を取る施設もあります。

大切なご家族の医療状態によって、必要な体制は変わります。たとえば、服薬管理や日中の健康観察が中心なら日中の看護体制で足りる場合もありますが、夜間に急変リスクがある、定時の医療的ケアが必要、といった場合は夜間・休日の体制が重要になります。

施設探しでは、パンフレットの「看護師常駐」という言葉だけで判断せず、(1)看護師の勤務時間帯、(2)夜間・休日の対応方法、(3)対応できる医療的ケアの範囲、の3点を必ず質問しましょう。これらは施設の重要事項説明書(契約前に交付される、運営や体制を説明した書面)にも記載されることが多いので、見学時に見せてもらうのが確実です。具体的な対応可否は施設ごとに異なるため、必ず施設へ直接ご確認ください。

02施設種別で違う看護体制の考え方(特養・老健など)

老人ホームと呼ばれる施設にはいくつかの種別があり、看護体制の前提が異なります。代表的な公的施設について、厚生労働省の人員基準で定められている考え方を整理します。なお、ここで紹介するのは制度上の最低基準の考え方であり、実際の配置は施設ごとに異なります。最新の正確な基準や個々の施設の体制は、施設・自治体へご確認ください。

特別養護老人ホーム(特養/介護老人福祉施設):看護職員の配置が基準で定められています。人数は入所者数に応じた段階規定で、入所者30人以下は常勤換算で1以上、30人超50人以下は2以上、50人超130人以下は3以上、130人超はさらに増える、とされています。また看護職員と介護職員の総数は、入所者3人に対して1人以上(常勤換算)です。医師については「入所者に対し健康管理及び療養上の指導を行うために必要な数」とされ、常勤配置の明示はなく、嘱託医で対応する施設もあります(出典:指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準)。

介護老人保健施設(老健):在宅復帰を目指すリハビリ中心の施設で、医師は常勤換算で入所者100人あたり1人以上と定められています。看護・介護職員の総数は入所者3人に1人以上で、うち看護職員は総数の7分の2程度、介護職員は7分の5程度が標準とされています(出典:介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準)。

有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などは、種別や類型によって体制が異なります。種別ごとの傾向は別記事も参考にしつつ、最終的には個々の施設へご確認ください。

03夜間・休日の看護はどうなる?「24時間配置」と「オンコール」の違い

看護体制を考えるうえで、家族が見落としやすいのが夜間と休日です。基準上、看護職員が24時間施設内にいることまでは一律には義務づけられていません。実際には、夜間は看護師が不在で、必要時に電話などで連絡・指示を受ける「オンコール(連絡体制)」で運用している施設も少なくありません。

つまり「看護師がいる」と説明されても、それが日中の常駐を指すのか、夜間も含めた体制なのかは施設ごとに違います。なお、介護報酬の一部の加算では「24時間連絡できる体制」が要件とされる場合がありますが、その具体的な意味や運用は加算の種類によって異なります。施設が「24時間対応」とうたっていても、施設内に看護師が常駐しているのか、オンコールでの連絡体制を指すのかは、必ず施設へ直接ご確認ください。

施設探しで確認したいのは次の点です。(1)夜間・休日に看護師は施設内にいるのか、オンコールなのか。(2)オンコールの場合、急変時にどのくらいの時間で対応できるのか。(3)夜間に協力医療機関や救急への連携はどうなっているか。これらは安心感を大きく左右します。具体的な運用は施設ごとに異なるため、見学時に必ず質問し、重要事項説明書でも確認してください。夜間の医療対応を確認する方法もあわせて参考にすると、確認すべき観点をより具体的に整理できます。

04受けたい医療的ケアに対応できるか(喀痰吸引・経管栄養など)

胃ろうなどの経管栄養(口から食べられない方に管で栄養を入れる方法)や、たんの吸引(喀痰吸引)が必要なご家族の場合、その医療的ケアに対応できるかが施設選びの大きな分かれ目になります。

これらは医行為にあたり、原則として医師・看護師等が行います。ただし、一定の研修を修了して都道府県知事の認定(認定特定行為業務従事者認定証)を受けた介護職員等が、登録特定行為事業者として登録された事業所で実施できる仕組みがあります。これは社会福祉士及び介護福祉士法の改正により、平成24年度(2012年度)から始まった制度です(出典:東京都福祉局/厚生労働省)。研修の種類によって、口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部の喀痰吸引、胃ろう・腸ろう・経鼻の経管栄養など、実施できる行為の範囲が変わります。

注意したいのは、「看護師がいる施設なら必ず対応できる」とは限らないことです。看護師の勤務時間帯、必要な研修を修了した職員の有無、夜間の実施体制などによって、同じ処置でも受け入れの可否は施設ごとに異なります。施設探しでは、必要な医療的ケアの内容(種類・回数・時間帯)を具体的に伝えたうえで、「夜間も含めて対応できるか」を施設へ直接ご確認ください。胃ろうや夜間体制まで含めて確認の観点を整理したいときは医療対応が必要な人の老人ホーム選び、たんの吸引に絞って看護体制を確認したいときはたん吸引対応できる老人ホームの探し方もあわせてご覧ください。

05見学・相談で確認したいチェックリスト

看護体制は資料だけでは分かりにくいため、見学や相談で具体的に確認することが大切です。以下を持ち物リスト代わりにお使いください。

  • 看護師の勤務時間帯:日中のみか、早朝・夜間はどうか
  • 夜間・休日の対応:施設内にいるのか、オンコール(連絡体制)か、急変時の流れ
  • 協力医療機関・往診:連携先、夜間や救急時の搬送体制
  • 必要な医療的ケアの可否:喀痰吸引・経管栄養・インスリン注射など、必要なケアを具体名で伝えて確認
  • 重要事項説明書:契約前に交付される運営・体制を記した書面。看護体制や協力医療機関が記載される

あわせて活用したいのが、厚生労働省が運営する「介護サービス情報公表システム」です。利用者・家族が事業所の職員体制などの公表情報を検索・比較でき、施設選びの客観的な参考になります。

なお、費用や受け入れの可否、対応できる医療的ケアの範囲は施設ごとに異なり、変わることもあります。本記事の制度説明は一般的な考え方であり、最新の正確な情報は各施設の重要事項説明書・料金表、および自治体の窓口でご確認ください。判断に迷うときは、担当のケアマネジャーへ相談するのも有効です。

FAQ

このガイドのよくある質問

A.

いいえ、一律に24時間の施設内常駐が義務づけられているわけではありません。日中のみ看護師が常駐し、夜間は不在で電話連絡(オンコール)で対応する施設も少なくありません。施設種別や個々の運用によって体制は異なるため、夜間・休日に看護師が施設内にいるのか、オンコールなのか、急変時の対応の流れを施設へ直接ご確認ください。

A.

厚生労働省の人員基準では、特養は看護職員数が入所者数に応じた段階規定(30人以下は常勤換算1以上など)で、看護・介護職員の総数は入所者3人に1人以上とされています。老健は医師が入所者100人あたり1人以上、看護・介護職員の総数は入所者3人に1人以上で、うち看護職員は総数の7分の2程度が標準です。これは制度上の最低基準の考え方であり、実際の体制や最新の基準は施設・自治体へ個別にご確認ください。

A.

これらは医行為で、原則は医師・看護師等が、または一定の研修を修了し認定を受けた介護職員等が登録事業所で実施できます。「看護師がいれば必ず対応可」とは限らないため、必要なケアの種類・回数・時間帯を具体的に伝え、夜間も含めて対応できるかを施設へ確認することが大切です。介護サービス情報公表システムで職員体制を比較するのも参考になります。

Sources

参照・確認する一次情報

制度や費用は変更されることがあるため、公式情報と施設の資料を確認しながら更新します。

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