「持病に加えて感染症があると、もう施設には入れないのでは」——そう不安に感じているご家族は少なくありません。まずお伝えしたいのは、感染症があるからといって一律に入居できないわけではない、ということです。
特別養護老人ホーム(特養)などの指定介護老人福祉施設には、「提供拒否の禁止」という考え方が定められています。厚生労働省の運営基準(指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準 第4条の2)では、施設は「正当な理由なく指定介護福祉施設サービスの提供を拒んではならない」とされています。解釈通知(老企第43号)では、特に要介護度や所得の多寡を理由に拒否することは禁止されると示されています。
では「正当な理由」とは何かというと、同じ解釈通知では「入院治療の必要がある場合その他入所者に対し自ら適切な指定介護福祉施設サービスを提供することが困難な場合」と限定的に示されています。つまり、その施設の体制で安全なケアが難しい客観的な事情があるときに限られる、という考え方です。
ただし、これは特養を中心とした基準であり、有料老人ホームやサ高住など施設種別ごとに事情は異なります。施設探しでは「うちは感染症があると一律でお断り」という説明をうのみにせず、なぜ難しいのか(体制上の理由か)を具体的に聞くことが出発点になります。
