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褥瘡(床ずれ)がある場合の老人ホーム選び|看護・医療体制の見極め方を表すイラスト医療・看護

褥瘡(床ずれ)がある場合の老人ホーム選び|看護・医療体制の見極め方

作成日
2026年6月21日
最終更新日
2026年6月21日

褥瘡(床ずれ)がある家族の施設探しでは、その施設が褥瘡ケアをどこまで担えるかを看護・医療体制から見極めることが核心です。見学時の質問項目と、重要事項説明書・公的情報での確認のしかたまでをやさしく整理します。

01床ずれ(褥瘡)とは——どこに、なぜできるのかをやさしく整理

褥瘡(じょくそう)は「床ずれ」とも呼ばれ、ずれや圧迫などの外からの力で組織が傷つき、皮膚にキズができた状態です。骨と寝具などに挟まれて圧迫された部分の血流が悪くなることで起こると説明されています(日本創傷外科学会)。

できやすい場所(好発部位)は、仰向け(仰臥位)では仙骨部(お尻の出っ張り)・尾てい骨・背骨・かかと・後頭部、車いす使用時は坐骨(お尻の部分)など、骨が出っぱった部位です。自分で身体を動かせない方、痛みを感じにくい方に起きやすく、体力や栄養状態が落ちていると、より生じやすいとされています(同学会)。オムツなどによる蒸れも皮膚を傷める一因とされます。

まず大切なのは、「床ずれは特別なことではなく、寝たきりや低栄養など条件が重なれば誰にでも起こりうる」と知っておくことです。そのうえで施設探しでは、今ある床ずれの状態(部位・深さ・処置の内容)をかかりつけ医や訪問看護に確認し、メモにまとめておくと、見学・相談のときに施設側へ正確に伝えられます。状態の見立てや治療方針は医療職の判断ですので、自己判断で「これは軽い/重い」と決めつけず、医療職の情報を持って施設選びに臨みましょう。

02施設選びで本当に見るべきは「看護・医療体制」——種類で何が違うか

床ずれがある方の施設選びでは、間取りや雰囲気よりもまず「看護・医療体制」を見ることが核心です。施設の種類によって看護職員の配置や医療との関わり方が異なります。

たとえば特別養護老人ホーム(特養)は、看護職員の人数が省令で定められています。「特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基準」(平成11年厚生省令第46号)第十二条では、入所者30人以下は常勤換算で1以上、30人超50人以下は2以上、50人超130人以下は3以上、130人超はさらに加算する、と規定され、うち1人以上は常勤とされています。医師は「健康管理及び療養上の指導を行うために必要な数」と定められ、具体的な人数の基準はありません。こうした人員基準を踏まえたうえで、看護師の配置や夜間・医療的ケアの見極め方は、看護師がいる老人ホームの選び方でも詳しく取り上げています。

ただし、これはあくまで最低基準です。日中の看護師が手厚くても、夜間は看護師が常駐せずオンコール(電話待機)対応となる施設もあります。床ずれの処置をいつ・誰が行えるかは、施設ごとに異なります。

施設探しでは、(1)日中と夜間で看護職員が何人いるか、(2)夜間はオンコールか常駐か、(3)床ずれの処置を担うのは看護師か外部の訪問看護か、(4)協力医療機関はどこか、を確認しましょう。夜間の医療対応をどう見極めるかは、夜間の医療対応を確認する方法も参考にしてください。種類だけで判断せず、その施設の実際の体制を聞くことが大切です。なお、施設ごとの実際の人員配置や夜間体制は施設へ要確認です。

03「この施設で床ずれのケアはできますか」——見学・相談で確認する質問リスト

床ずれがある方の場合、パンフレットの言葉だけでは判断できません。見学や相談のときに、具体的に「この状態でケアをお願いできるか」を口に出して確認しましょう。施設個別の対応可否・費用・空室は、この記事では断定できません。必ず施設へ直接お尋ねください。

確認したい質問の例です。

  • 「現在こういう部位に床ずれがあります(医療職のメモを見せる)。この施設で処置・ケアをお願いできますか」
  • 「処置は看護師が行いますか、訪問看護など外部に依頼しますか」
  • 「日中・夜間それぞれ看護職員は何人いますか。夜間はオンコールですか」
  • 「体位変換(向きを変える介助)はどのくらいの間隔で行っていますか」
  • 「床ずれ予防のマットレスやクッションは使えますか。持ち込みは可能ですか」
  • 「栄養面で配慮した食事や、管理栄養士の関わりはありますか」
  • 「状態が悪化したとき、どの医療機関とどう連携しますか」

回答はその場でメモし、複数の施設で同じ質問をして比べると違いが見えます。あわせて、看護・医療体制や費用は重要事項説明書(契約前に交付される説明書面)に書かれている内容で確認するのが確実です。口頭の説明と書面が一致しているかも見ておきましょう。

04医療的ケアの正しい理解——「看護師がいる=何でも対応」ではない

床ずれのある方は、たんの吸引(喀痰吸引)や胃ろうなどの経管栄養を併せて必要とすることがあります。ここで誤解しやすいのが、「看護師がいる施設なら何でも対応してもらえる」という思い込みです。実際には、誰が・どの行為を行えるかにルールがあります。

看護師は医療職として、医師の指示のもとでこれらの医療的ケアを担えます。一方、介護職員がたんの吸引や経管栄養を行うには、(1)喀痰吸引等研修の修了、(2)都道府県からの「認定特定行為業務従事者認定証」の交付、(3)所属する事業者が「登録特定行為事業者」であること、という3つの条件がすべてそろう必要があります(東京都福祉局ほか)。研修には不特定多数の方を対象とする第1号・第2号、特定の方を対象とする第3号の区分があります。

つまり、「介護スタッフがたんの吸引をしてくれる」かどうかは、研修・認定・事業者登録という裏づけがあって初めて成り立ちます。

施設探しでは、「夜間も含めて、たんの吸引(または胃ろうの注入)に対応できますか」「対応するのは看護師ですか、研修を修了した介護職員ですか」「夜間に看護師がいない時間帯はどうしますか」と具体的に確認しましょう。対応の可否は施設ごとに異なるため、必ず施設へ要確認です。胃ろうや喀痰吸引など医療対応が必要な場合の施設選びの考え方は、医療対応が必要な人の老人ホーム選びでも詳しく整理しています。

05床ずれを悪化させない暮らしの土台——多職種チームと体制を見る

床ずれは、処置だけでなく日々の暮らし全体で「悪化させない」ことが大切とされます。一般に、圧迫やずれを減らす体位変換、皮膚の観察と蒸れの防止、そして栄養管理が予防・対策の柱とされています(日本創傷外科学会ほか)。栄養については、低栄養が褥瘡に関わる要因の一つとされ、十分な栄養をとることが重要とされています。

こうしたケアは一人の職種だけでは完結しません。介護報酬には「褥瘡マネジメント加算」という仕組みがあり、入所時などに危険因子を評価し、リスクや褥瘡がある場合は、医師・看護・管理栄養士・介護・ケアマネジャーなどの関連職種が共同で評価とケア計画を作成・実施・記録し、その結果を国のデータベース(LIFE)に提出する流れが定められています。これは、施設が組織的・多職種で褥瘡管理に取り組む枠組みの一例です。加算の単位数や要件は介護報酬改定で変わるため、最新の内容は施設・自治体へご確認ください。

施設探しでは、「体位変換や栄養面で、複数の職種がどう関わっていますか」「管理栄養士は床ずれのある方の食事にどう関わりますか」「ケアの記録や見直しはどのくらいの頻度ですか」と尋ねてみましょう。チームで継続的に見る体制があるかが、暮らしの安心につながります。

06費用・対応可否は必ず最新の一次情報で確認を

床ずれのある方の施設選びでは、費用や対応の可否を思い込みで判断しないことが何より大切です。本記事の制度説明は概要であり、具体的な金額や個々の施設の対応は、最新の一次情報で確認する必要があります。

確認の順番として、次の3つを押さえましょう。

第一に、施設の重要事項説明書と最新の料金表です。月額費用や医療的ケアにかかる加算、看護体制などが記載されており、契約前に必ず目を通します。床ずれの処置や医療的ケアで追加費用が生じるかも、書面と口頭の両方で確認します。

第二に、厚生労働省が運営する「介護サービス情報公表システム」です。全国の介護事業所を検索・比較でき、職員体制などの基本情報を確認できます。気になる施設を事前に調べる入口として役立ちます。詳細は都道府県ごとのサイトで確認します。

第三に、お住まいの自治体(市区町村の窓口や地域包括支援センター)や、担当のケアマネジャーへの相談です。床ずれや医療的ケアを抱えた施設探しは判断が難しいため、専門職に相談しながら進めると安心です。費用・制度は改定で変わるため、必ず最新情報をご確認ください。

FAQ

このガイドのよくある質問

A.

対応の可否は施設ごとの判断であり、一律に「断られる」とも「必ず入れる」とも言えません。大切なのは、現在の床ずれの状態を医療職に確認したうえで、見学・相談のときに看護・医療体制と一緒に施設へ率直に伝え、「この状態でケアをお願いできますか」と具体的に相談することです。複数の施設に同じ質問をして比べると判断しやすくなります。

A.

特養の看護職員数は省令で定められていますが、夜間は看護師が常駐せずオンコール(電話待機)対応となる施設もあり、対応は施設ごとに異なります。また、介護職員がたんの吸引を行うには研修修了・都道府県の認定・事業者登録の3条件が必要です。夜間の体制や、誰が処置・吸引を担うかは、必ず見学時に施設へ直接ご確認ください。

A.

まずかかりつけ医や訪問看護に現在の医療的ケアの内容を確認し、メモにまとめます。そのうえで、厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」で候補を調べ、見学時に「夜間も含めて対応できますか」「対応するのは看護師か、研修を修了した介護職員か」を具体的に確認しましょう。対応の可否・費用は施設へ要確認です。担当のケアマネジャーや地域包括支援センターへの相談も有効です。

Sources

参照・確認する一次情報

制度や費用は変更されることがあるため、公式情報と施設の資料を確認しながら更新します。

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