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高額介護サービス費とは|自己負担を抑える仕組みと申請を表すイラスト費用

高額介護サービス費とは|自己負担を抑える仕組みと申請

作成日
2026年6月21日
最終更新日
2026年6月21日

高額介護サービス費は、1か月の介護保険の自己負担が所得区分ごとの上限を超えたとき、超えた分が払い戻される制度です。対象となる費用・対象外の費用、上限額の考え方、申請方法、施設探しでの確認点を、ご家族向けにやさしく解説します。

01高額介護サービス費とは

ご家族の介護が始まると、毎月の費用がどこまでふくらむのか不安になりますよね。高額介護サービス費は、その不安をやわらげるための公的なしくみです。

介護保険のサービスを使うと、利用者はかかった費用の1割(所得によっては2割・3割)を負担します。この1か月(同じ月の1日〜末日)の自己負担額の合計が、所得に応じて決められた上限額を超えたとき、超えた分があとから払い戻されるのが高額介護サービス費です(出典:厚生労働省「介護サービス情報公表システム」解説ページ)。

ポイントは「上限を超えた分が戻る」しくみだという点です。窓口での支払いがその場で減るわけではなく、いったん負担したうえで、申請すると後日まとめて戻ってくる流れになります。

上限額は世帯(住民票上で介護サービスを使っている方全員)の合計で判定される区分と、ご本人だけで判定される区分があります。「世帯で合算できる」点は、ご夫婦やご家族で複数人が介護サービスを使っている場合に効いてきます。なお制度の詳細や金額は改定されることがあるため、最新の内容はお住まいの市区町村の介護保険窓口でご確認ください。

02対象になる費用・ならない費用

「介護で払ったお金が全部対象になる」と思われがちですが、ここはとても大切なので整理しておきます。高額介護サービス費の対象になるのは、介護保険サービスの自己負担分(1〜3割)です。

一方で、対象にならない費用があります。代表的なものは次のとおりです。

  • 食費・居住費(部屋代):特養や介護施設での食事代・部屋代は対象外です
  • 日常生活費:おむつ代(在宅の場合)、理美容代、レクリエーション費など
  • 福祉用具の購入費・住宅改修費:別枠の給付のため対象外です
  • 区分支給限度基準額を超えて全額自己負担した分:ケアプランの上限を超えて使った部分は対象外です

つまり、施設に入っている場合の毎月の請求のうち、食費・居住費は高額介護サービス費では戻りません。この食費・居住費の軽減は「特定入所者介護サービス費(補足給付)」という別の制度で扱われ、負担限度額認定が必要です。二つは混同しやすいので、分けて考えると費用計画が立てやすくなります。施設ごとに何が対象かは請求書の内訳が分かれているので、迷ったら施設の相談員に確認してみてください。

03上限額の考え方と所得区分

1か月の自己負担の上限額は、世帯やご本人の所得(住民税の課税状況・課税所得)によって区分されています。厚生労働省や各自治体(横浜市・名古屋市など)が公開している区分は、おおむね次のように整理されています。

区分の目安月額上限額
課税所得690万円以上の方がいる世帯140,100円(世帯)
課税所得380万〜690万円未満の方がいる世帯93,000円(世帯)
市町村民税課税〜課税所得380万円未満44,400円(世帯)
市町村民税非課税世帯24,600円(世帯)
市町村民税非課税で年金収入等が一定額以下24,600円(世帯)/15,000円(個人)
生活保護を受給している方など15,000円(個人)

(出典:厚生労働省「介護サービス情報公表システム」、横浜市・名古屋市の公式案内。金額は2026年6月時点)

ここで一点、最新情報として補足します。令和7年(2025年)8月1日から、年金額の改定に合わせて所得区分の基準額が見直され、年金収入のみの方が自動的に不利な区分へ移ってしまわないよう、判定の基準額が引き上げられました(出典:厚生労働省 関連告示)。上限額そのものや区分の基準は今後も改定されうるため、ご自身がどの区分に当たるか、最新の金額はいくらかは、必ずお住まいの市区町村の介護保険窓口でご確認ください。

04申請の方法と注意点

高額介護サービス費は、自分で申請しないと受け取れないのが原則です(自動では振り込まれません)。手続きの流れはおおむね次のとおりです。

  1. 上限額を超えた月があると、市区町村から支給申請のお知らせ(勧奨通知)が届くことが多いです
  2. 同封の支給申請書に、振込先口座などを記入して提出します
  3. 審査ののち、超えた分が指定口座に振り込まれます

多くの自治体では、一度申請すると次回以降は手続き不要で、上限を超えた月があるたびに自動で口座に振り込まれる運用になっています(名古屋市など)。ただし運用は自治体ごとに異なるため、初回の案内をよく確認してください。

注意点として、申請には期限(時効)があります。一般に介護保険給付の請求には時効が定められており、過ぎると受け取れなくなる場合があります。具体的な期限・必要書類・口座要件は自治体で異なるため、通知が届いたら早めに窓口へ確認することをおすすめします。お知らせが届かないケースもあるので、「上限を超えていそう」と感じたら、待たずに市区町村へ相談してください。

05施設探し・費用計画で確認したいこと

制度を知ったうえで、実際の施設選びと費用計画にどう落とし込むか――ここがいちばん大切なところです。次の点を、見学や相談のときに確認してみてください。

  • 毎月の請求の内訳:介護サービスの自己負担分(高額介護サービス費の対象)と、食費・居住費(対象外)が分かれているか。見積書の費目を一つずつ確認しましょう
  • 食費・居住費の軽減が使えるか:非課税世帯などは負担限度額認定で食費・居住費が下がる可能性があります。あわせて費用を抑える方法も確認を
  • 医療費との合算:同じ世帯で医療費の負担も大きい場合、「高額医療・高額介護合算療養費制度」で年単位の合算による軽減が受けられることがあります
  • 区分支給限度額の使い方:限度額を超えると全額自己負担になり、その分は高額介護サービス費の対象外です。ケアマネジャーとプランを相談しましょう

まずは全体像として介護施設の費用費用の内訳を押さえたうえで、各種の軽減制度を組み合わせると、無理のない費用計画が立てやすくなります。制度の適用可否や金額は状況によって変わるため、最終的な判断の前に、施設・自治体・ケアマネジャーへ必ず最新情報を確認してください。

FAQ

このガイドのよくある質問

A.

最初の1回は申請が必要です。上限額を超えた月があると市区町村からお知らせが届くことが多く、支給申請書を提出すると後日振り込まれます。多くの自治体では一度申請すれば、その後は上限を超えた月ごとに自動で振り込まれる運用ですが、扱いは自治体により異なるため、初回の案内をご確認ください。

A.

いいえ、食費・居住費(部屋代)は高額介護サービス費の対象外です。対象は介護保険サービスの自己負担分(1〜3割)に限られます。食費・居住費の軽減は「特定入所者介護サービス費(補足給付)」という別制度で、負担限度額認定が必要です。請求書の内訳が分かれているので、施設の相談員にご確認ください。

A.

上限額は所得区分によって異なり、月額15,000円〜140,100円の範囲で段階的に定められています(2026年6月時点・厚生労働省および自治体公開資料)。世帯で判定される区分とご本人だけで判定される区分があります。金額や基準は改定されることがあるため、ご自身がどの区分かを含め、最新額はお住まいの市区町村でご確認ください。

Sources

参照・確認する一次情報

制度や費用は変更されることがあるため、公式情報と施設の資料を確認しながら更新します。

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