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親の希望を聞き出す施設探しを表すイラスト探し方

親の希望を聞き出す施設探し

作成日
2026年6月21日
最終更新日
2026年6月21日

親の施設探しは「どう暮らしたいか」を聞くことから。希望を整理する5つの軸、無料で使える地域包括支援センターと介護サービス情報公表システムの使い方、嫌がるときの向き合い方まで、家族の最初の一歩を丁寧にまとめます。

01施設探しは「親がどう暮らしたいか」を聞くことから

施設探しというと、つい「どの施設が良いか」を先に調べたくなります。相談窓口や要介護認定など施設探し全体の始め方も気になるところですが、最初にしたいのは、親自身が「これからどう暮らしたいか」を聞くことです。住み慣れた地域に近いほうが安心なのか、にぎやかな環境がいいのか静かに過ごしたいのか、続けたい趣味や習慣はあるか。こうした希望は、後で施設を比べるときの「ものさし」になります。

とはいえ、改まって聞くと身構えてしまうもの。親が入居を嫌がるときの話し方にも通じますが、お茶を飲みながら「もし通いやすい場所だったらどこがいい?」「一日をどう過ごせたら気が楽?」と、暮らしの場面から少しずつ尋ねるほうが本音が出やすいことがあります。

大切なのは、聞いた内容を家族のメモとして残しておくこと。日付・誰が・どんな言葉だったかを書き留めておくと、きょうだいや離れて暮らす家族と共有でき、後の話し合いや見学時の質問づくりにも役立ちます。希望は変わっていくものなので、一度で決めようとせず、何度かの会話で更新していく前提で進めると気持ちが楽になります。

02親と一緒に整理したい5つの軸

希望を聞くときに、漠然と「どこがいい?」と尋ねると答えにくいものです。次の5つの軸に沿って言葉にしていくと、親も家族も考えを整理しやすくなります。

  • エリア: 家族が面会に通いやすい範囲か、住み慣れた地域に近いか
  • 暮らし方・大切にしたいこと: 一人の時間/交流、続けたい趣味、食事へのこだわり、ペットなど
  • 介護と医療の必要度: 今どんな介助が必要か、持病や服薬、通院の状況
  • 費用の考え方: 年金や貯蓄でどこまでをめやすにするか(金額の確定は後述の書面で)
  • 看取りまでの希望: 最期までその施設で過ごしたいのか、状態が変わったらどうしたいか

これらは「正解」を決める作業ではなく、何を優先するかの順番を家族で共有するための観点です。すべてを満たす施設を探すというより、「ここは譲れない/ここは妥協できる」を整理しておくと、後で施設を比べるときに迷いにくくなります。とくに「暮らし方・大切にしたいこと」の軸は、本人らしさを施設選びでどう残すかという視点にもつながる部分です。費用や医療体制の具体的な内容は、施設ごとに大きく異なるため、本記事では断定せず、後述の窓口や書面で必ず確認してください。

03まず無料の公的窓口と情報源を使う

希望の軸がぼんやり見えてきたら、いきなり個別の施設に問い合わせる前に、公的な窓口と情報源を使うのがおすすめです。

ひとつは地域包括支援センター。市区町村が設けている高齢者の総合相談窓口で、要支援1・2の方の介護予防サービス計画(ケアプラン)の相談先としても案内されています。「お住まいの市区町村または地域包括支援センターにご相談ください」と公的に案内されており、まずどこに相談すればよいか分からないときの入り口になります(厚生労働省 介護サービス情報公表システム)。地域包括支援センターがどんな相談に応じてくれる窓口かを先に知っておくと、初めての相談もスムーズです。

もうひとつは、厚生労働省の介護サービス情報公表システムです。介護保険法に基づき平成18年4月から始まった制度で、全国約21万か所の介護サービス事業所の情報を、都道府県がインターネット等により公表するしくみです。公表される情報には、事業所の名称・所在地、従業者、提供サービスの内容、利用料等のほか、利用者の権利擁護の取組、相談・苦情等への対応、安全・衛生管理等の体制、従業者の研修の状況などが含まれます。

同システムでは「介護サービス概算料金試算」によって料金のおおよその目安を試算できるとされています。ただしこれはあくまで概算で、実際の費用は施設ごと・時期ごとに異なります。気になる施設が見つかったら、後述の書面で最新の内容を確認しましょう。

04要介護度と施設タイプの関係をやさしく理解する

施設のタイプによっては、入居の前提として要介護認定が関わってきます。要介護認定は、お住まいの市区町村に申請するところから始まります。申請後、調査員による認定調査(心身の状態の聞き取り)と主治医意見書をもとに、全国一律の基準でコンピューターが判定する一次判定、その後の介護認定審査会による二次判定を経て、市区町村が要介護度を決定します。認定は要支援1・2から要介護1〜5までの7段階および非該当に分かれます(厚生労働省 介護サービス情報公表システム)。

施設タイプによって対象となる要介護度の目安は異なります。たとえば特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)は、一般に常時介護が必要で在宅での生活が難しい方が対象とされ、要介護度の要件が設けられているのが通例です。介護老人保健施設はリハビリにより在宅復帰を目指す施設と位置づけられています。ただし、こうした対象や要件の細部は施設種別・自治体によって運用が異なり、特例的な扱いもあるため、本記事では断定しません。正確な入居要件は、地域包括支援センターや各施設、自治体の最新情報で必ず確認してください。

なお、認定が出ていない段階でも、相談や情報収集を始めることはできます。「まだ認定がないから」と動き出しを遅らせる必要はありません。

05医療的ケアが必要なときの確認のしかた

持病があり、たんの吸引(喀痰吸引)や胃ろうなどの経管栄養が必要な場合、「施設なら必ず対応してもらえる」と考えるのは禁物です。これらは医療や、研修を受けた職員による行為に関わるためです。

喀痰吸引(口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部)や経管栄養(胃ろう・腸ろう・経鼻経管栄養)は、平成24年度から、一定の研修(喀痰吸引等研修)を修了して都道府県から「認定特定行為業務従事者認定証」の交付を受けた介護職員等が、所属する事業所が「登録特定行為事業者」として登録しているなどの条件のもとで実施できる仕組みになっています(東京都福祉局)。つまり、対応できるかどうかは施設の体制次第であり、看護職員の配置時間や夜間の体制によっても変わります。

施設探しで確認したいのは、次のような点です。

  • 必要な医療的ケア(吸引・経管栄養・インスリン等)に対応できる体制があるか
  • 看護職員がいる時間帯、夜間の対応はどうか
  • 状態が変わったときに連携する協力医療機関があるか

これらは口頭の説明だけでなく、書面や見学時の確認で具体的にすり合わせることが大切です。判断に迷うときは、かかりつけ医や地域包括支援センターにも相談しましょう。

06比較の前に:書面で確認し、家族の話し合いを記録に残す

気になる施設が絞れてきたら、見学や申し込みの前に書面で事実を確認します。有料老人ホームでは、契約前に「重要事項説明書」が用意され、事業者の概要や提供サービス、職員体制などの基本項目が記載されます。厚生労働省は「有料老人ホーム設置運営標準指導指針」の別紙様式として重要事項説明書の様式例を示しており、複数の施設を同じ目線で比べる材料になります。ただし、様式や記載内容は改正されることがあり、運用は自治体によっても異なるため、最新の様式・記載内容は各施設・自治体の書面で必ず確認してください。

費用については、初期費用や月額の相場をこの記事で断定することはしません。料金は施設ごと・時期ごとに異なるため、必ず各施設の最新の料金表や重要事項説明書で確認してください。介護サービス情報公表システムの料金試算もあくまで目安です。

そして忘れたくないのが、ここまでの家族の話し合いを記録に残すことです。

  • 親の希望(5つの軸で整理した内容)
  • 確認した施設名と、確認した項目・回答
  • きょうだいや関係者で合意したこと/保留にしたこと

こうしたメモがあると、後から「なぜこの施設を候補にしたのか」を振り返れ、家族間の認識のずれも防げます。施設選びは一度で終わらせず、希望と事実をすり合わせながら進めていきましょう。

FAQ

このガイドのよくある質問

A.

「どの施設にする?」と結論から尋ねるより、「もし通いやすい場所だったらどこがいい?」「一日をどう過ごせたら気が楽?」と暮らしの場面から少しずつ聞くほうが本音が出やすいことがあります。一度で決めようとせず、お茶を飲みながらなど構えない場面で、何度かの会話を通じて聞いていくのがおすすめです。聞いた内容は日付とともに家族のメモに残し、きょうだいとも共有しておくと後の話し合いに役立ちます。

A.

市区町村が設けている地域包括支援センターが、高齢者の総合的な相談窓口として案内されています(厚生労働省 介護サービス情報公表システム)。要支援1・2の方の介護予防サービス計画(ケアプラン)の相談先としても挙げられているため、どこから手をつければよいか分からないときの入り口になります。あわせて、厚生労働省の介護サービス情報公表システムで全国の事業所情報を検索・比較できます。

A.

相談や情報収集は、認定が出ていない段階でも始められます。地域包括支援センターでの相談や、介護サービス情報公表システムでの検索は要介護認定の有無にかかわらず利用できます。ただし、施設タイプによっては入居の前提として要介護度の要件が関わることがあり、その細部は施設種別・自治体で異なります。具体的な入居要件は各施設や自治体の最新情報で確認してください。

A.

「施設なら必ず対応できる」とは限りません。喀痰吸引や経管栄養(胃ろう等)は、平成24年度から、一定の研修を修了し都道府県の認定を受けた介護職員等が、事業所が登録特定行為事業者として登録しているなどの条件下で実施できる仕組みです(東京都福祉局)。対応できるかは施設の体制や看護職員の配置によって異なるため、必要な医療的ケアに対応できる体制があるか、夜間の対応や協力医療機関について、書面や見学で具体的に確認しましょう。

Sources

参照・確認する一次情報

制度や費用は変更されることがあるため、公式情報と施設の資料を確認しながら更新します。

  • 厚生労働省 介護サービス情報公表システム(制度解説)

    介護保険法に基づき平成18年4月開始。全国約21万か所の事業所情報を都道府県がインターネット等で公表。公表される情報項目(名称・所在地、従業者、提供サービス、利用料等、権利擁護、相談・苦情対応、安全衛生体制、研修状況)を原文で確認。

  • 厚生労働省 介護サービス情報公表システム(利用までの流れ)

    要介護認定の申請〜認定調査・主治医意見書〜一次判定(コンピューター)〜二次判定(介護認定審査会)〜市区町村決定の流れ。要支援1・2〜要介護1〜5の7段階および非該当。地域包括支援センターが相談窓口・要支援者の計画相談先である点を原文で確認。

  • 東京都福祉局 喀痰吸引等(たんの吸引等)の制度

    喀痰吸引(口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部)・経管栄養(胃ろう・腸ろう・経鼻経管栄養)の対象行為、喀痰吸引等研修、認定特定行為業務従事者認定証、登録特定行為事業者、平成24年度開始を原文で確認。

  • 厚生労働省 有料老人ホームの設置運営標準指導指針について

    重要事項説明書は標準指導指針の別紙様式として示されている(様式は改正されることがある)。記載項目・最新の内容・運用は各施設・自治体の書面で要確認。法定様式そのものとの断定は避ける。

  • 各施設の重要事項説明書・最新の料金表

    費用(初期費用・月額)、医療体制、入居要件の確定情報は、各施設が交付する重要事項説明書や最新料金表で必ず確認する。リンクでの一律提供はされない。

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