メインコンテンツにスキップ
介護しせつさーち
特別養護老人ホーム(特養)とは|入所条件・費用・医療対応をわかりやすくを表すイラスト施設種別

特別養護老人ホーム(特養)とは|入所条件・費用・医療対応をわかりやすく

作成日
2026年6月21日
最終更新日
2026年7月8日

特別養護老人ホーム(特養)とは何かを、介護保険法・老人福祉法の一次情報をもとに解説。原則要介護3以上という入所条件、費用の構成、医療的ケアの考え方、そして施設探しで何を確認すればよいかまで、ご家族向けにやさしくまとめました。費用・制度は改定されることがあるため、最終的な金額や取り扱いは施設・自治体の最新情報をご確認ください。

01特別養護老人ホーム(特養)とは|「介護老人福祉施設」と同じ施設です

特別養護老人ホーム(特養)は、介護が必要になった高齢のご本人が生活の場として暮らす公的な施設です。よく「特養」と略されます。

少しややこしいのですが、同じ施設が法律によって2つの呼び名を持っています。老人福祉法では「特別養護老人ホーム」、介護保険法では「介護老人福祉施設」と呼ばれ、どちらも同じ施設を指します。パンフレットや行政の書類で名前が違っても、戸惑わなくて大丈夫です。

特養は「要介護高齢者のための生活施設」と位置づけられ、入浴・排せつ・食事などの介護、日常生活の世話、機能訓練(リハビリ的な訓練)、健康管理、療養上の世話を行うものとされています。一時的に在宅復帰を目指す施設というより、長く暮らすことを前提とした「住まい」に近い性格を持つのが特徴です。

なお、定員30人以上のものを「介護老人福祉施設」、29人以下のものを「地域密着型介護老人福祉施設(地域密着型特別養護老人ホーム)」と呼び分けます。地域密着型は、原則としてその市区町村に住む方が対象になります。

施設探しでの確認ポイント:気になる施設が「広域型(定員30人以上)」なのか「地域密着型(29人以下)」なのかは、入所できる対象が変わるため、最初に施設や自治体へ確認しておくと安心です。また、同じ公的施設でも民間の有料老人ホームとは入所条件や費用のしくみが異なるため、特養と有料老人ホームの違いを整理した記事もあわせて読んでおくと選択肢を比較しやすくなります。

02入所できる人の条件|原則「要介護3以上」と特例入所

特養の入所には、要介護度の条件があります。平成27年(2015年)4月1日以降、入所は原則として要介護3以上の方に限定されています(厚生労働省「指定介護老人福祉施設等の入所に関する指針」)。要介護度とは、どれくらい介護が必要かを示す国の区分で、要介護3はおおむね、立ち上がりや歩行が自力では難しく、排せつや入浴に介助が必要になってくる状態の目安とされます。具体的な判定はお一人おひとりの状態に応じて行われます。

では要介護1・2なら入れないのかというと、そうではありません。やむを得ない事由があると認められる場合は「特例入所」が認められることがあります。指針が挙げる主な勘案事項は、(1) 認知症により日常生活に支障を来すような症状・行動や意思疎通の困難さが頻繁にみられる、(2) 知的障害・精神障害などを伴い同様の状態が頻繁にみられる、(3) 家族などによる深刻な虐待が疑われ、心身の安全・安心の確保が困難である、(4) 単身世帯である、または同居家族が高齢・病弱などで家族の支援が期待できず、かつ地域の介護サービスや生活支援も十分でない、の4点です。

特例入所に当たるかどうかの判断は、保険者である市町村の関与のもとで施設が行うこととされており、画一的ではありません。

施設探しでの確認ポイント:ご本人が要介護1・2の場合は、特例入所の対象になり得るかを、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口や地域包括支援センター、希望する施設に早めに相談しましょう。判断基準や運用は自治体ごとに異なるため、最新の取り扱いは要確認です。

特養入所の条件を、要介護3以上は原則として申込み対象、要介護1・2は特例入所の4つの勘案事項(認知症・知的障害等・虐待・単身等で支援困難)を市町村の関与のもと施設が判断する流れで表現した図

03受けられるサービスと人員・設備の基準

特養は生活施設として、入浴・排せつ・食事などの日常の介護を中心に、機能訓練や健康管理、療養上の世話までを担います。施設によっては看取りへの対応を行っているところもありますが、対応の有無や方針は施設ごとに異なります。

人員配置には国の基準があります。介護職員・看護職員は、入所者3人に対して1人以上(3:1)を配置することが定められ、ほかに医師(必要数)、生活相談員、栄養士、機能訓練指導員、介護支援専門員(ケアマネジャー)などの配置が求められます。これはあくまで常勤換算による最低基準で、実際の手厚さは施設ごとに差があります。

設備の基準では、居室の入所者1人当たりの床面積は10.65㎡以上、廊下幅は原則1.8m以上(中廊下は2.7m以上)などが定められています。居室の形には、複数人で過ごす「多床室」と、個室を少人数のグループ(ユニット)でまとめた「ユニット型個室」があります。ユニット型は個室のためプライバシーが保たれやすい一方、後述する居住費が多床室より高くなる傾向があります。

施設探しでの確認ポイント:見学や問い合わせの際は、(1) 居室が多床室かユニット型個室か、(2) 看護職員が日中・夜間どのように配置されているか、(3) リハビリ(機能訓練)の頻度や内容、を施設の重要事項説明書や運営規程で確認しましょう。基準は満たしていても、生活の質に関わる部分は施設ごとに大きく異なります。

04費用のしくみ|何にいくらかかるのか

特養の費用は、大きく4つで構成されるのが一般的です。

  1. 施設サービス費(介護サービス費)の自己負担:介護保険が適用される部分で、自己負担は原則1割。所得が一定以上の方は2割または3割になります。
  2. 居住費:いわゆる部屋代。多床室かユニット型個室かなどで変わります。
  3. 食費
  4. 日常生活費:理美容代や個人的な嗜好品など。

このうち居住費・食費・日常生活費は、原則として自己負担です。具体的な金額は、要介護度・居室タイプ・施設・地域によって変わるため、ここで「月いくら」と断定することはできません。必ず各施設の最新の料金表や重要事項説明書で確認してください。

大切な軽減制度として、所得や資産が一定以下の方は負担限度額認定(特定入所者介護サービス費)を受けられる場合があります。これは、負担限度額を超えた居住費と食費を介護保険が補う仕組みで、利用にはお住まいの市区町村への申請が必要です。対象は原則として世帯全員(別世帯の配偶者を含む)が市町村民税非課税で、ご本人・配偶者の預貯金等が基準額以下の場合とされていますが、基準額や区分は見直されることがあるため、申請の流れや対象区分を詳しくまとめたガイドもあわせてご確認ください。

施設探しでの確認ポイント:費用は「月額の合計」だけでなく、居室タイプごとの内訳と、負担限度額認定を使った場合の見込みを施設・自治体の両方に確認しましょう。特養の月額費用の内訳をより詳しく整理した記事もあわせてご覧ください。

05医療的ケアはどこまで受けられる?|「特養なら必ず対応」ではありません

胃ろう(経管栄養)やたんの吸引(喀痰吸引)などが必要なご家族にとって、施設が対応できるかは切実な問題です。ここは特に誤解されやすいので、正確にお伝えします。

まず、たんの吸引と経管栄養は医行為であり、本来は医師・看護職員が行うものです。ただし平成24年(2012年)4月以降は、一定の研修を修了し、都道府県の認定を受けた介護職員等が、医療・看護との連携による安全確保などの条件のもと、都道府県に登録された事業者において喀痰吸引等を実施できるようになりました(厚生労働省 喀痰吸引等の制度)。

つまり、対応できるかどうかは「特養だから」ではなく、その施設に研修を修了した職員や必要な看護体制があるかによって決まります。「特養なら必ず医療的ケアに対応できる」というのは正しくありません。同じ特養でも、夜間に看護職員がいるか、オンコール(呼び出し)体制か、対応できる処置の範囲はどこまでか、施設によって大きく異なります。

また、人工透析やインスリン注射、在宅酸素など、処置の種類によって対応可否は変わります。

施設探しでの確認ポイント:必要な医療的ケアを具体的に書き出し、(1) その処置に対応できるか、(2) 看護職員の日中・夜間の配置、(3) 協力医療機関との連携体制、(4) たんの吸引等を行える職員がいるか、を施設に直接確認してください。回答は施設の重要事項説明書や運営規程と照らし合わせ、最終的な可否はご本人の状態を見て施設・主治医と相談のうえ判断されます。

06施設探しで確認したいことチェックリスト

最後に、特養を検討するときに確認しておきたいポイントを整理します。制度の知識は、実際の施設選びに落とし込んでこそ役立ちます。

入所条件まわり

  • ご本人の要介護度(原則要介護3以上。要介護1・2なら特例入所の可能性を自治体へ相談)
  • 広域型か地域密着型か(地域密着型は対象が住所地で限られる)
  • 申し込み方法と、待機状況の目安

費用まわり

  • 居室タイプごとの居住費・食費を含む月額の内訳(最新の料金表で)
  • 負担限度額認定を使った場合の見込み(市区町村へ申請・確認)
  • 日常生活費としてどんな費用が別途かかるか

生活・医療まわり

  • 居室が多床室かユニット型個室か、実際の広さや雰囲気
  • 看護職員の配置(日中・夜間)と、必要な医療的ケアへの対応可否
  • 機能訓練、食事(嚥下食などの対応)、看取りへの対応の有無や方針

これらの多くは、施設の重要事項説明書・運営規程・料金表と、市区町村の介護保険窓口で確認できます。制度や費用は改正・改定されることがあり、本記事の内容も最新の状況とは異なる場合があるため、最終的な判断の前には必ず施設・自治体の最新情報をご確認ください。特養以外の選択肢も含めて比較したい場合は、老人ホームの種類ごとの特徴や選び方をまとめた記事もあわせてご覧ください。

FAQ

このガイドのよくある質問

A.

特養への入所は、平成27年4月1日以降、原則として要介護3以上に限定されています。ただし要介護1・2の方でも、認知症で日常生活に支障がある、家族の支援が期待できないなど「やむを得ない事由」があると認められる場合は、特例入所が認められることがあります。判断は市町村の関与のもとで施設が行い、運用は自治体ごとに異なるため、お住まいの市区町村の介護保険窓口や希望する施設に早めにご相談ください。

A.

特養の費用は「施設サービス費(介護サービス費)の自己負担(原則1割、所得により2割・3割)+居住費+食費+日常生活費」で構成されるのが一般的です。金額は要介護度・居室タイプ・施設・地域によって変わるため一律には言えません。具体額は各施設の最新の料金表や重要事項説明書でご確認ください。所得や資産が一定以下の方は、市区町村に申請する負担限度額認定で居住費・食費が軽減される場合があります。

A.

たんの吸引や経管栄養(胃ろう)は医行為で、本来は医師・看護職員が行います。平成24年4月以降は、研修を修了し都道府県の認定を受けた介護職員等が、看護との連携や事業者の都道府県登録など一定の条件のもとで実施できるようになりました。対応できるかは「特養だから」ではなく、その施設の看護体制や研修修了職員の有無によって決まり、施設ごとに異なります。必要な処置への対応可否は、施設に直接ご確認ください。

Sources

参照・確認する一次情報

制度や費用は変更されることがあるため、公式情報と施設の資料を確認しながら更新します。

Related

あわせて読みたいガイド

施設種別

老人ホームの種類と選び方

施設ごとの違いと、自分に合った住まいの見つけ方をやさしく解説。

費用

特養の費用はいくらか ― 月額の内訳と軽減制度をやさしく整理

特養(特別養護老人ホーム)の月額費用は「施設サービス費の自己負担+食費+居住費+日常生活費」で決まります。厚労省の基準費用額を目安に内訳を整理し、低所得の方の負担を軽くする負担限度額認定まで、施設探しで確認すべき点をやさしく解説します。

施設種別

グループホームとは|認知症の方が少人数で暮らす施設の特徴・対象・費用の考え方

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は、認知症と診断された方が1ユニット5〜9人の少人数で職員とともに家庭的に暮らす地域密着型サービス。対象となる人や費用の考え方、施設探しで確認したい点をやさしく解説します。

費用

入居一時金とは|家賃の前払いの仕組みと返還・保全をやさしく解説

入居一時金(法令上は「前払金」)は家賃の前払いで、敷金とは別物です。償却で少しずつ家賃に充てられ、退去時は未償却分が返還されます。保全措置や0円プランの考え方、重要事項説明書で確認すべき点まで、施設探しの視点で整理します。最新の金額・条件は施設と自治体に要確認です。

FREE CONDITION CHECK

ガイドの内容をもとに、条件を選んで施設を探せます

AIコンシェルジュは準備中です。 公開までは、検索での絞り込みと、各施設ページからの問い合わせをご利用ください。

施設を探す気になる施設へ直接問い合わせ
事業者向け掲載・情報更新