認知症の症状を整理すると、施設に何を確認すればよいかが見えてきます。厚生労働省の資料では、認知症の症状は大きく二つに分けられています。一つは、物忘れや判断力の低下など、脳機能の低下を直接示す「中核症状」。もう一つは、それに伴って現れる精神・行動面の「周辺症状」で、これは「BPSD(認知症の行動・心理症状)」とほぼ重なる概念とされています。
BPSDはさらに二つに整理されます。【行動症状】には暴力・暴言・徘徊・拒絶・不潔行為など、【心理症状】には抑うつ・不安・幻覚・妄想・睡眠障害などが挙げられています。施設探しでよく語られる「徘徊」「暴言」は行動症状、「昼夜逆転」につながる睡眠障害は心理症状に位置づけられる、ということです。
ここで大切なのは、同じ「認知症」でも、今ご本人に現れている症状はそれぞれ違うという点です。施設に伝えるときも、「認知症です」だけでなく「夜に外へ出ようとすることがある」「夕方に落ち着かなくなる」のように、具体的な様子で伝えるほうが、対応できるかどうかの確認が正確になります。なお症状の医学的な見立てや診断は医療機関の領域です。気になる変化があるときは、まずかかりつけ医や専門医にご相談ください。認知症を受け入れる施設の種類や入居条件を全体的に知りたい場合は、認知症の方を受け入れる施設の種類と入居条件もあわせてご確認ください。次の節から、症状別に「施設で何を確認するか」を見ていきます。
