在宅酸素療法(HOT=ホット)は、呼吸の働きが低下して体に酸素を十分取り込めない方が、ご自宅や施設で酸素を吸入しながら暮らすための治療です。鼻に細いチューブ(カニューレ)をつけ、酸素濃縮装置や酸素ボンベから酸素を補います。
ここでまず押さえておきたいのは、HOTは健康保険(診療報酬)の枠組みのなかで医師が管理する『医療』だということです。厚生労働省の診療報酬の通知(在宅酸素療法指導管理料・C103関係)では、対象として「高度慢性呼吸不全例」や「チアノーゼ型先天性心疾患患者」が挙げられています。高度慢性呼吸不全例については、動脈血酸素分圧(血液中の酸素の指標)が「55mmHg以下の者、および60mmHg以下で睡眠時または運動負荷時に著しい低酸素血症をきたす者」で、医師がHOTを必要と認めたものとされています(mmHgはTorrと同じ単位です)。
こうした要件や数値は診療報酬改定で見直されることがあるため、ご本人にあてはまる細かな条件は主治医・医療機関にご確認ください。いずれにせよ、酸素の流量(1分間にどれだけ流すか)や吸入時間などの指示は、すべて主治医が決めます。施設側が自己判断で酸素の量を変えることはできません。
ですから施設探しの第一歩は、施設の種類を調べることより先に、主治医に「いまの酸素の指示内容(流量・吸入時間・外出時の扱いなど)」と「今後どんな変化が想定されるか」を確認し、メモにまとめることです。このメモが、どの施設に問い合わせても通じる『共通言語』になります。
